男たちの最後の言葉  vol.1048

城山三郎氏の遺稿でもある、

  亡き妻・容子さんに宛てた

 「恋文」ともいえる文書は、

 

 のちに刊行されたので

 題名をご存じの方もいるかもしれない。

 

「そうか、もう君はいないのか」

 


家族を亡くした経験を

持つ人ならば、

 

亡くなったあとに、

喪失感が時間差攻撃で

訪れると、耳にしたことがある。

 

葬儀を終え、

 

遺品の整理を済ませ、

 

日常の生活に戻りかけたとき

 

ふとした拍子に

そのことを思い知る。

 

トンビはまだ肉親を

  亡くしたことがないので

  よくわからないが、

 

「そうか、もう・・・・」

 

 これが結構こたえるらしい。

 

「五十億のなかで、

ただ一人「おい」と呼べるおまえ・・・」

 

とは城山氏の遺稿の一節だか、

 

子供であれ、父母であれ、

 

遺族にとっては、

「五十億の中でただ一人」の人である。

 

心の空洞を涙で埋めたい、

そんな夜更けもあるだろう。

 

「先立たれるより

 見送ってもらいたい」

 

 とトンビは思うが、

 

そうはなかなかうまくいかない。

 

うまく先に逝った男たちの

  最後の言葉を紹介する。

 

森鴎外・・・

臨終の昏睡に陥る前に、

最後につぶやいた。

 

「ばかばかしい!」

 

井上靖・・・

見守る家族に最後の言葉を残した。

 

「臨終とはこういうことだ。

 しつかり見ておきなさい」

 

徳川夢声(話術家)・・・

死の床で、夫人に呼びかけた。


「おい、いい夫婦だったなあ」

 

それぞれに最後の言葉は、

   味わい深い。

 

共通するのは、

 

自分もしくは

自分が残していく家族に

最後の眼差しを向けていることだろう。

 

トンビが一番共感するのは

「森鴎外」

 

多分人生の最後に

彼は吾りを得たのだと思う。

 

そろそろ考えておかなければ・・・


最後の言葉を。

 

<今日の名言>

十分に終わりのことを考えよ。

まず最初に終わりを考慮せよ。

   レオナルド・ダビンチー

 

*人生の終わりは「死」です。
   どのように死を迎えるかを考えよ、
   ということでしょう。

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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