Categories: 人物に学ぶ

スーツ仕立てるなら銀座で   vol.198

 

◇ 東京・銀座には「一流」

    呼ばれるテーラーが集まる。

 

オーダーメードで自分だけの1着を

仕立てるために、足を運ぶ政界や

経済界の著名人も少なくない。

 

トンビも一生に一度ぐらい、

銀座でオーダーメイドで

スーツを仕立ててみたい。

 

◇ フロントマネジャーなどとして約30年間、

    高級スーツ店「銀座英国屋」の店頭に

   立ち続けた元社長室長、市川博司さん(72)は、  

 

  今までで印象深かった顧客について

  このように述べている。

 

  71年から担当になった

  本田技研工業(ホンダ)創業者の

  本田宗一郎さんに色々教わりました。

 

  ゼネストの当日にスポーツカーで

  来店された時から圧倒されました。

 

  こちらが事前に用意しておいた

  生地には目もくれず、

『黒が見たい』との注文でした。

 

理由は

 

「オレはスパナを持って車の下に潜り込んで

   車の修理をしなきゃならない。

   油まみれになっても目立たない黒がいい」

 

とのことでした。

 

◇ 仕立て方についても本田宗一郎氏から

    色々と注文があった。

 

「まず背広のポケットチーフの山の

   部分の高さを、いつも同じにしてほしい」

 

これは意外に難しい。

 

そこでポケットチーフをボール紙に

縫い付けて胸ポケットからのぞいている

高さ、形を一定にできるように工夫した。

 

「冬のワイシャツはボタンの隙間から

                       寒風が吹き込んで寒い」

 

そこでファスナーで締めるワイシャツを

作ったこともあるそうだ。

 

形だけボタンも付けたので

見かけはそれまでのワイシャツと変わらない。

 

「ズボンも日本人は右利きが多いから

   右のポケットの入り口を大きく浅く

    使いやすくしてくれ」

 

との意見をお持ちでした。

 

またズボンのチャックについては本田氏から

    「短くて下ろしにくい」  と言われ

 

それまでの26センチから29センチに長くした。

 

このアイデアはそのまま英国屋の定型となった。

 

◇  スーツひとつにしろ、細部にこだわり

    改善に次ぐ改善を重ねる姿勢が

    ホンダ車に脈々と受けつながれて

    いるのであろう。

 

やはり本田のオヤジさんは、

並の人ではなかった。

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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