◇ 現代の日本人にとって、
あの100年の間の
外国による侵略や不平等条約は、
単に歴史の教科書や
人々の思い出の中の
出来事に過ぎない。
しかし
これらの条約や戦争は、
中国に直接的な影響を
与えたのであり、
恥辱の一世紀に対する
彼らの思いは、
中国人の心の中に
極めて長い時間、
今なお、
生き続けているのである。
◇ 古代の中国人は、
文化的または
民族的なよそ者を
「夷」(野蛮人)と呼んだが、
恥辱の一世紀の間には、
外国人はさらにネガテイプな
呼称で呼ばれた。
「鬼子(グイズー)」
つまり「鬼」と呼ばれた。
たとえばイギリス人は
「英国鬼子」
日本人は、
「日本鬼子
(リーベン・グイズー)」
と呼ばれた。
◇ 中国人からすると、
日本人は、野蛮人以下の
「鬼」なのである。
こうした「野蛮人」と
「鬼」の区別は、
中国人にとっての
祖国の「神話」の中に、
「条約の世紀」が
いかに深く組み込まれているかを
浮き彫りにしている。
◇ 「選び取られた栄光」も
「選び取られた
トラウマ」も、
民族集団を特徴づける
重要な要素となる。
しかし「選び取られた栄光」が
単にその集団の自尊心を
高揚させるだけなのに対して、
世代から世代へと伝えられる
「選び取られたトラウマ」は、
国民に複雑な課題を
突きつける!
それは、
過去の屈辱と
向き合って悼んだり、
あるいは
それを誇りへと、
逆転させたりしなければ
ならないからだ。
「選び取られた栄光」よりも
「選び取られたトラウマ」は、
集団のメンバーたちを
より強固に結束させる!
それだけに
そうしたトラウマは、
より根強い心理的作用を
及ぽすのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!