◇ 政治に対する
人々の思いの変化は、
コミュニティの変質を
抜きにして語れない。
支持が組織票によってではなく、
一人ひとりの意志を
反映するようになるためには、
自分たちのコミュニティを
再構築するところから
はじめなければならない。
変わったのは、
政治家でも有権者でもなく、
「コミュニティ」
もう少しわかりやすくいうと、
「地域とのつながり」
ということになる。
◇ 一般庶民はかつてのように、
コミュニティに所属している
という意識を失っている。
地域に住む人同士のつながりも
希薄になり、
会社員も組織的な組合に
所属しているという
意識はなくなっている。
公明党のような宗教や、
共産党のようなイデオロギー共同体は、
一定程度のコミュニティを
確保しているから、
組織員は、
自分たちの代表として政治家を
国会に送り込む意識でいられると思う。
しかし、多くの一般庶民においては、
自分たちがどこのコミュニティにも
所属してないから、
誰を選んでも、
自分たちの代表という意識は持てない。
したがって、
おのずと投票率も低くなる。
総選挙の中で、
今後の大きな論点と
しなければならないのは、
この「投票率の低さ」だろう。
◇ トンビの元会社の同僚と
久振りに正月に会って話をしたが、
その彼がスウェーデンの
販促会謙に出席した時のこと。
直前にスウェーデンでも
総選挙があり、
低投票率が話題になったそうだ。
「これは民主主義の根幹を
揺るがす大問題だ」
とスウェーデン人出席者たちは
渋い表情で語った。
やはり東西を問わず
有権者の政治離れは
深刻な問題なのかと、
妙に納得した
日本人出席者たちであったが、
次の言葉を聞いて驚いた。
「90%を切るなんて...」
日本人はどうだと
聞かれるのを怖れて、
みんな下を向いて
固まっていたそうだ。
◇「どうせ自分ひとり投票したところで
何もかわらない」
という空気が日本には蔓延している。
トンビも含めて、
コミュニティヘの帰属意識の低下と
言わざるをえない。
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