◇ 会津藩では日新館の外でも
子供の教育をした。
「ならぬものはならぬ」で有名な
「什(じゅう)の掟」
である。
年長者の位言うことに
背いてはなりません
年長者にはお辞儀を
しないといけません
うそをついてはなりません
ひきょうな振る舞いを
してはなりません
弱い者をいじめてはなりません
戸外で物を食べてはなりません
戸外で婦人と言葉を
交えてはなりません
といい
最後に
「ならぬものはならぬものです」
と結ぶ。
やってはいけないことを
きっちり決めて、
それを理屈でなく学ばせる。
これが会津藩の特徴で、
たしかに教育効率はよかった。
◇ この国の建ちは、
まず形が与えられ、
それにきまじめに従うことに
向いている。
この有無をいわせぬ道徳教育は、
大きな効果をあげた。
しかし「ならぬものはならぬ」
というのは、
思考の停止であり、
負の側面も出てきた。
なぜダメなのか、
理由を主体的に考える文化が
育ちにくくなる。
しかも、会津藩では、
藩が決めた「形」を受け入れ
達成できた者から、
登用し出世させる
システムになっていた。
藩風として、
「かたくなで柔軟性に欠ける」面が
倍加されてしまった。
◇ 白虎隊の悲劇も
これと無関係ではない。
白虎隊の子供は
「殿様に殉じて見事に死ぬ」
そのような教育を受けていた。
それが会津武士であり忠義だ、と、
信じて止まなかった。
つづく
<今日の名言>
ひとりひとりが重要であり、
それぞれに役割があり、
誰しもに現実を変える力がある。
ジェーン・グドール(動物行動学者)
*我々は使命を果たすために生まれてきた。
だからそれぞれの人生には「目的」がある。
自らの人生の目的や使命が明確になれば、
大きな変化につながっていく。
今日一日の人生を大切に!