◇ 本日からシリーズで
「教育」というものを
歴史的観点から
眺めてみたいと思う。
特に幕末から維新にかけての
各藩の人材育成がおもしろい。
ふつう、
歴史学者は過去のことを語り、
未来や現在のことは語らない。
しかし、それでは何のための
歴史学か? ということになる。
率直に過去の歴史を眺めると、
今を生きるヒントが多数見つかる。
◇ 日本人のことを
最もよく調べ、考えた一人に、
民俗学者の 柳田國男氏 がいる。
柳田氏は、
「日本とは何か」
「日本人とは何か」
ということを問い続けた。
戦後、彼はこんなことを言っている。
「日本人には幼時から
判断力を鍛える教育が必要だ」
敗戦でぼろぼろになった日本人に、
何が必要かと問われたときに、
柳田氏はまず
「判断力の教育」の必要性を訴えた。
日本人は個人で判断せずに
付和雷同するところがある。
判断を迫られたときに、
人が何と言うかを見回す者が多い。
個人で判断することが少ない。
知識教育だけではだめ。
物事を判断ができる教育が必要だ。
判断力の教育は難しそうに見えるが、
柳田氏は、できると断言した。
民族調査のなかから、
柳田氏はこの国のなかに、
判断力を鍛える教育の伝統を
見出していたのであろう。
◇ 江戸時代は、藩によって
教育のあり方が大きく違っていた。
その中でも会津藩、佐賀藩、
長州藩、薩摩藩など、
それぞれ個性ある教育をしていた。
あえて、
ふたつのタイプをあげるなら、
「会津型」と「薩摩型」の
教育があげられる。
会津型と薩摩型の教育を
比較しながら、
明治維新の人たちが
どのように教育され、
幕末維新の人材が
つくられていったのか、
歴史から今の教育のあり方を
考えてみたいと思う。
つづく
今日一日の人生を大切に!