◇ 「吾輩は猫である。
名前はまだない」
この印象的な書き出しで
始まる文章は、
明治の文豪・夏目漱石の
「吾輩は猫である」という小説だ。
この夏目漱石、
実は日本の「初代引きこもり」
とも言われている。
◇ 大学を卒業して、
教師になったのも成り行き。
だから仕事にも興味を持てない。
そんな悶々としたある日、
突然、文部省に命じられて、
英語研究のために、2年間
イギリスに留学することになる。
漱石33歳、明治33年のこと。
漱石を打ちのめしたのは 英語!
日本では英語の先生をしていたのに
英語がまったく通じなかった。
当然、大学の講義もわからない。
そして、しまいには、
下宿に引きこもってしまった。
これが初代引きこもりの瞬間。
結局、任期を待たずして
帰国することになる。
初代引きこもり・夏目漱石、
イギリスで挫折。
◇ しかし、ただひとつ、
イギリスの挫折には
大きなギフトが隠されていた。
イギリスに行って、
異国の地から日本をあらためて
見つめ直してみたら、
英文学に対して自分が抱いてきた
疑問に対する答えが見えてきたという。
たとえそれがやりたくないことでも、
徹底的に向き合ってみることで、
自分が本当にやりたいことに
気づいたということになる。
吾輩は引きこもりである。
名前は 夏目漱石」
初代ニート、日本で復活!
◇ 後に、夏目漱石は
学生を前にした講話で
こう述べている。
ああ、
ここにおれの進むべき道があった!
ようやく掘り当てた!
いま置かれている環境で、
「やるべきことを」を徹底的にやってみる。
すると、やりたいことがわかる。
何でも徹底的にやれば、
本当にやりたいことが
見えてくるのである。
<今日の名言>
馬は走る。花は咲く。人は書く。
自分自身になりたいがために。
夏目漱石
*人にそれぞれ持ち味があります。
そして何事も徹底的にやらなければ
その持ち味はわかりません。
今日一日の人生を大切に!