◇ 中国の新華社通信は、
英語のツイッターで、
「いなくなってせいせいする、
ドナルド・トランプ!」
と投稿するほど感情的になっている。
米国バイデン政権が、
これを喜ぶとでも思っているのだろうか。
もしそうだとすれば、
とんだ見当違いの「発信」と言うほかない。
トランプ政権も米国政権である。
外国から悪口を言われて、
喜ぶ後継政権はいない。
中国への警戒姿勢は、
前政権と変らないからだ。
中国は、そういうデリケートな気持ちが
わからないのだろう。
◇ 中国は、米国とのこじれた関係を
立て直すため、
外交担当トップを派遣して
バイデン大統領側近らとの
高官級会合にこぎつけ、
首脳会談を実現させたい考えを
持っていると言われている。
中国当局者はこれまで
水面下で会談を要請していたが、
バイデン政権の国家安全保障チームや
他の政府機関へ正式な要請を
いまだ行っていない。
◇ そんな中で、中国は1月下旬、
海警局の権限などを定めた
海警法に署名した。
これによって、海警局が
「重要な海上武装部隊」
としての位置づけを明確にした。
尖閣諸島の周辺や南シナ海で、
中国公船の行動が先鋭化する
懸念をさらに強めている。
こうして、中国は自ら軍事紛争へ
発展しやすい「種」を蒔いているのである。
これは、中国国内向けを狙った姿勢だろうが、
軍事衝突の危険性を極めて高める。
日本の海上保安庁は警察組織だが、
中国はこれに武器を持たせる
という事態になった。
これの意味するところは、
尖閣周辺で紛争等が起きる
可能性が大である。
そしてここにきて、
2月26日アメリカ国防総省は、
「尖閣諸島の主権について
日本を支持すると述べたことを訂正する」
と発表した。
これには理解に苦しむが、
アメリカは尖閣からスンナリ手を引いて、
日本はアメリカから大量の兵器を
また買うことになるかもしれない。
◇ バイデン大統領は、
オバマ政権の8年間を副大統領として、
それ以前の10年間ほどは
上院外交委員長を務めた経歴を持つ。
バイデン大統領は、中国を相手に
どのような外交をすべきか
熟知していると見て良い。
◇ 中国は、オバマ米大統領時代までの
米国であれば、「お人好し」であるから
十分に覇権奪取への踏み台にできると見ていた。
それが、トランプ政権になって逆襲されて、
中国の足元がぐらついたところへ、
バイデン政権の登場である。
バイデン政権は、
オバマ時代の失敗に懲りている。
そこで、トランプ政権の欠陥を補正して
同盟国を糾合し、中国を包囲するという戦略を
明確にしたのだ。
トランプ政権のパンチで
よろめいている中国へ、
米国は欧州のほかにインド太平洋戦略で
日本・豪州・印度が隊列に加わるという、
新しい陣形を整え対抗姿勢を強化している。
米国は、一挙に欧州の三ヶ国と
アジアの三カ国の計六カ国が援軍になったのだ。
今後、この陣形で中国と対峙することになる。
完
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