◇ このような状況で孫氏は
「最悪のシナリオ」を想定している。
そのシナリオとは一体
どのようなものなのか。
孫氏の発言から読み取れるのは、
大企業が破綻し、
それがドミノ現象となって
企業が次々に破綻するということだ。
確かに、まだ新型コロナショックによる
経済を揺るがすような大規模な破綻は、
今のところ発生していない。
しかし、それは政府の過剰ともいえる
融資に支えられた延命措置のおかげだろう。
◇ 具体的な業種を考えても、
ヤバそうなところは次々に思い浮かぶ。
例えば、航空業界
一時はロックダウンによって、
飛行機に客が全く乗らない
と言う状況になった。
最悪の状況からは回復したとは言え、
いまだに客足の戻りは鈍い。
国内線は、日本でもGoToラベルの
影響などにより回復している部分もあるが、
国際線のダメージは計り知れない。
仮にワクチンの接種が
世界的に開始されたとしても、
大手を振って外国人を向入れられる状況は
まだまだ先になることが予想される。
多分、早くても7月、8月以降であろう。
それまでは兵糧攻めの城のように
ギリギリの戦いを強いられることになる。
今は、政府やメインバンクの融資によって
何とか支えられている状態に他ならない。
しかし、どこかで政府が
匙を投げるようなことがあれば、
すぐにでも破綻してしまう
というのが航空会社の現状だ。
◇ これは日本だけでなく、
世界中で同様のことが起こっている。
既に世界中で航空会社の
破綻が起きている。
ロックダウンが起きた
4、5月にかけてだけでも
以下のような航空会社が破綻した。
・ヴァージン・オーストラリア航空
・ラタム航空(チリ)
・アビアンカ航空(コロンビア)
・タイ国際航空
このリストを見ると、
政府に余裕のない国の企業から
ギブアップしている状況ように見える。
この状況は、
世界最悪の債務水準である
日本にとっても他人事ではなく、
財政の議論になるとすれば、
槍玉にあがってもおかしくない。
◇ ヤバそうな業種は
他にも挙げればキリがない。
観光、外食、アパレル、
小売、エンタメ…
コロナ禍が続く限り、
余裕のなくなった企業から1社1社と
ギブアップしていくことが想定される。
その中に世界的にも巨大な企業が
含まれてきてもおかしくない。
大きな企業が倒産すると、
その負債を通じて連鎖倒産が起きると言う、
孫子のシナリオは十分に現実味を帯びてくる。
つづく
今日一日の人生を大切に!