◇ ラクダが砂漠にすめて、
キリンがすめないのはなぜなのか。
「背が高すぎるんです」と
登場人物が語る。
デンマークの推理作家
ユッシ・エーズラ・オールスンの、
人気シリーズ「特捜部Q」の
最新刊「吊るされた少女」の一場面である。
◇ キリンの場合、
見渡す限りここは砂しかないと
悟ってしまう。
幸運にもラクダはそれがわからない。
すぐ先にオアシスがあるかもしれないと
期待しながら進めるのだ、と。
◇ 人はラクダに似ている。
見えるのは「今」だけで、
あした何が起きるかは誰も知らない。
知らないおけげで、
希望を抱いて人生の旅を続けることができる。
コロナ禍により、政治と経済の歯車が
なかなかうまく噛み合わないが、
正月気分が立ち去るのも早い年の初めである。
迎えた一年にはどんな出来事が
用意されているのだろう。
そこはラクダの強みで、
コロナによる砂嵐や炎熱ではなく、
緑の泉が待っている、
オリンピックに熱狂する姿があると、
信じて歩き出すしかない。
<今日の名言>
初暦(はつごよみ)知らぬ月日は美しく
吉屋信子
今年もよろしくお願いいたします。
今日一日の人生を大切に!