Categories: 人物に学ぶ

秋山真之(あきやまさねゆき)   vol.900

人智の発達と機械の進歩は、

江戸長崎の行軍時間を東京倫敦(ロンドン)

行軍時間と同一にしたることを忘れべからず。

 

秋山真之は日露戦争期の

  海軍作戦参謀。

 

 この国は彼の脳髄によって

 ロシア艦隊を沈め、独立を守った。

 

この男は 時間 と 進歩  

の価値をだれよりも理解できた。

 

1903年、

 秋山は海軍大学校で戦術を教えた。

 

長く国防機密であった

その講義録の内容は

驚愕すべきものである。

 

講義冒頭、秋山は,

 

「これから教える戦術は

        将来通用しない」  と宣言。

 

居並ぶ将校の度肝を抜いた。 

 

その発想は常人の域を超越していた。

 

秋山は、

 「現時全盛の海軍は

   無用の古物となって

   空軍万能の時節ともなりましょう」

   と断言。

 

「巡洋艦が空中を飛行し

 戦闘艦が水中を潜航するに至ったと

 想定すれば、

 此時の戦場は平面的にあらずして

 立体的であります」

 

「その時にあたり吾人が今研究せる

 平面戦術が何の用をなしましょうか」

 

  と言い放った。

 

この天才児は日露戦争をやる前に、

  太平洋戦争の様相をみてきたように語り、

  警告した。

 

 この講義を二人の優秀生、

 

 大角岑生(おおすみみねお)

 山梨勝之進(やまなしかつのしん)

 

が聴いていた。

 

のちに大角が 海軍大臣

 

一期下の山梨が 次官

 

山梨のほうが秋山思想を

理解していた。

 

空軍全盛に向かう時代、

  山梨は軍艦縮減の条約締結に奔走。

 

しかし人事権をもつ大角は、

ライバルの山梨らを予備役に編入。

 

秋山思想の後継者は絶えた。

 

その結果はいうまでもない。

 

米国に大敗。

 

海軍と日本は

「坂の下の泥沼」に堕ちた。

 

そして今なお日本は

この泥沼の中でもがいている。 

 

<今日の名言>

「事件は会議室で起きているじゃない! 

 現場で起きているんだ」

           踊る大捜査線

 

 *現場で実際に見て確認して、
      それからです。

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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