◇ コロナ禍で居酒屋業界は
大変厳しい状況に置かれている。
大人数での食事や、
飲んで大声で話してしまうことが、
感染につながりやすいことから
政府が自粛を呼びかけているほか、
多くの企業で会食や宴会の中止が
呼びかけられている。
あと、1ヶ月ぐらい経つと
居酒屋にとっていちばんの稼ぎ時である
忘年会シーズンに突入することになるが、
明るい兆しはまったく見えない。
◇ 上場している居酒屋企業も
例外ではない。
業界最大手のコロワイドホールディングスも、
売上高は前年比半分以下に落ち込み、
この状況で黒字を出すことすら想像できない。
三密を避けた食事をするなら、
まず少人数であることが大原則だ。
居酒屋は宴会で稼ぐビジネスであり、
少人数とは相入れない。
また、席の数を減らして、
三密を避けることを考えるならば、
店舗面積あたりの売上高は
がくんと下がってしまう。
このような状況では、
仮に席が満席になったところで
利益を上げていくのが難しい。
まさに八方塞がりと言える状況だ。
◇ もっとも、外食産業と言う
観点で見れば、
売上高を伸ばしているところが
わずかに存在する。
その1つが、マクドナルドを始めとする
ファストフード業界だ。
ポイントは
「持ち帰り」と「知名度」
これを見習って業績を
改善することはできないだろうか。
しかし、居酒屋業界の現状をみると、
これは決して簡単ではない。
なぜなら、居酒屋業界は
徹底した安値競争が
繰り広げられてきたからだ。
和民や金の蔵、最近では鳥貴族など、
とにかく安く飲めればいいと言う
風潮広がった。
そんなところの食事をわざわざ
テイクアウトして食べたいと思うだろうか。
おそらくほとんどの人は
そんな事をしたいとは思わない。
◇ このままいくと
大多数の居酒屋が、
店舗の閉鎖や倒産に
追い込まれてしまう可能性がある。
現に、すでに多くの企業が
店舗の撤退を始めている。
財務的な余力のない企業から、
この流れは加速することになる。
つづく
今日一日の人生を大切に!