◇ 韓国が外交面で揺れている。
行き詰まった日韓関係打開の
手がかりがないからだ。
一方で、米中対立は冷戦と呼んで
差し支えない状況である。
韓国は、これまでの二股外交で
「経済は中国、安保は米国」という、
二刀流がしだいに難しくなってきた。
中国か、米国かと二者択一を
迫られる時期は刻々と迫っている。
この認識が、韓国大統領府の一部に
出始めた印象である。
微妙な「化学変化」ではあるが。
◇ 安倍晋三首相が突然、
健康を理由に辞意を表明した。
韓国では、安倍首相が退陣すれば
日韓関係に雪解けが始まる。
そういう希望的な報道が流れた。
「病気で退く安倍首相には
申し訳ないことですが、
我々には良い機会です。
日本との外交関係を改善できる
糸口になるかもしれないからです。
安倍首相は実際、
わが国には最悪の首相でした」
(中央日報 8月29日付コラム)
◇ しかし、辞任後へのこの期待論は、
間もなく大きく変わった。
「第2、第3の安倍が登場する」
との認識になってきた。
「安倍氏が退いても、
第2、第3の安倍氏が登場する。
それが今の日本政界の現実で、
社会全般の雰囲気だ。
これは日本のせいばかりにするのはなく、
韓国側にも問題がないかどうか
振り返らなくてはならないことだ」
(中央日報 9月8日付コラム)
韓国の論調が、
短期間に日本批判一点張りから、
「韓国原因論」に触れるようになった。
韓国の日本に対する論調が、
微妙に変わってきたのである。
◇ 日本経済新聞が昨年10~11月に実施した
全国18歳以上の男女を対象にした
郵便アンケート調査で、
国・地域に対する友好意識を
確認した結果、
韓国に対しては回答者の
66%が「嫌い」と答えた。
前年調査では、61%であったから
1年間で5%ポイントも増えたことになる。
◇ 前記調査で昨年の「嫌い」国のトップは、
北朝鮮(82%)
中国(71%) と、
1位と2位を占めている。
韓国が、これらの国に次いで
「嫌いな国・地域」で 3位。
ロシアは、嫌いな国・地域で
53%になり4位に下がった。
韓国が、
「嫌いな国トップ3」であることは、
安倍首相に原因があるというよりも、
日本人全体が、強い「嫌韓」意識を
抱いていることを示めしている結果だろう。
◇ 一方で、日本に深く染み込んでいる
「韓流」が、
両国国民の文化的距離を
縮めてくれるのでは、
という楽観論も聞かれる。
だが、「韓流」で日本社会が
融和に向かうとの期待は、
もはや時代遅れの感を否めない。
日本にとって韓国が、
物珍しかったのはもう20年前の話である。
つづく
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