◇ また香港国家安全維持法では、
裁判が非公開で行われたり、
陪審員なしで行われたりする
可能性があるという。
裁判官は、
香港特別行政区行政長官を任命できる。
捜査から判決、処罰に至るまでのすべてを、
中国大陸の当局が引き継ぐこともできる。
つまり、中国当局の「主観」で
誰もが犯罪者となり、
中国本土で懲役刑に科される
可能性が出てきたということ。
このことは「一国二制度」が
すでに形骸化したことを意味し、
中国の制度が西側に近くなるどころか、
1党独裁国家になることを示している。
これは、中国が英米の干渉を
恐れる必要がないほど、
力をつけたという自信の表れだ。
◇ 中国の途上国68カ国への融資状況は、
18年末の残高は 1,017億ドル
4年間で約2倍に急増し、
世銀の1,037億ドルに迫った。
中国の金利は融資期間が
比較的短いにもかかわらず
平均3.5% と、
IMFの0.6%や世銀の1%を
大きく上回る。
途上国は融資の条件として
財政規律などを迫られるのを
嫌う傾向が強い。
金利が高くても中国を頼るのは、
こうした制約がIMFなどに比べて
少ないためとみられている。
◇ 「香港の情勢を批判するのは
中国への内政干渉にあたる」
中国が統制強化のために施行した
「香港国家安全維持法」を巡り、
6月末の国連人権理事会で
53カ国が中国を支持した。
中国批判の声明に加わったのは
日本を含む27カ国にとどまり、
ほとんどは先進国だった。
ロシアは長引く米国の経済制裁から
中国へ歩み寄り、
トルコは米国の中東政策の失敗から
ロシアに、ひいては中国に歩み寄った。
ロシアと中国は軍事同盟を結んで
合同演習を繰り返し、
ロシアの5G網は
中国が請け負うことになった。
トルコは米国の反対を押し切って、
ロシア製の兵器を購入した。
◇ 中東ではイランに続き、
サウジアラビアやイラクも
中国に近付いている。
端的に言えば、
米国にいじめられてきた国々が、
中国と組んでいる。
経済的に疲弊している
これらの国々にとって、
中国の資金力と購買力は大きな魅力だ。
技術力も高い。
中国とすれば、ロシアの核と
サウジの石油があれば、
米国と戦える。
途上国の票があれば国連など
国際機関でも戦える。
いずれにせよ、英米政府だけでなく、
グローバルな中国民族を敵に回してでも、
守りたいもの(体制)が
あったということなのだろう。
まさに「賽は投げられた!」
のである。
完
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