◇ 米国で5月下旬から続く混乱は、
一般的には黒人差別への
「抗議デモ」と報道された。
しかし現地では、複雑な背景をもった
内戦・革命・反乱などと
認識されているようだ。
いずれにしても、混乱は続いており、
すでにアメリカでの逮捕者は
1万人規模となっていて、
1992年の暴動と変わらない
混乱ぶりとなっている。
◇ とはいえ、今の時点では、
この混乱が抗議デモなのか、
内戦の始まりなのか、
革命なのか、
それとも目的のない反乱なのか は、
わからない。
しかし、その「方向性」の
示すような事態が起きた。
◇ アメリカのワシントン州にある
シアトルにおいて、
「市民が一帯を占拠して
《自治区を宣言》」 した。
米メディアによると、
警察署周辺に数百人のデモ隊が集まり、
6ブロックを自治区に設定し、
この地区に通じる道路を
バリケードでふさいでいる。
ただ、略奪行為などはなく、
平和的な抗議活動が中心と
なっていると伝えた。
◇ 自治区には、占拠早々に
「名称」がつけられた。
占拠した場所が、シアトルの
「キャピトルヒル」
という場所を中心としているため、
この自治区は、
「キャピトルヒル自治区」
(Capitol Hill Autonomous Zone)
と名づけられ、
この英語の頭文字をとって、
「CHAZ(チャズ)」と呼ばれている。
◇ アメリカの報道によれば、
シアトルのある一帯を占拠した
チャズのメンバーは、
以下のような要求を当局に掲げた。
要求は30項目に及ぶが、
その最初の7つを紹介する。
【CHAZの要求】
1. シアトル警察と裁判所制度の廃止。
2. シアトル警察の解体までの移行期には、
武力の使用を全面的に禁止。
3. シアトルの人々が黒人所有の
ビジネスを探し、サポートすること。
4. アメリカの連邦政府がシアトルと
ワシントンで警察による残虐行為の
事件について全面的な調査を開始すること。
5. 警察の残虐行為による犠牲者への
補償の具体的な決定。
6. 暴力犯罪のために現在刑務所に
服役しているすべての有色人種に対して、
我々のコミュニティ内の仲間の陪審員による
再審理を要求。
7. 現在の刑事司法制度、刑務所の代わりに、
復帰/変革的説明責任プログラムを作り出す。
つづく
今日一日の人生を大切に!