稲盛和夫氏の「人間性弱説」   vol.802

稲盛和夫氏は、

「人間とは弱いものである」

 といっている。

 

 人間は性根の弱い生き物であるという

 「性弱説」という考え方だ。

 

人間というのは、

床に札束が落ちているのを見つけたら、

 

持っていってしまうくらい

「心が弱い」生き物なのだ。

 

あるいは、一万円札が

山ほど机の上に転がっていたら、

 

一枚くらいとってもわからないだろうと、

ポケットに入れてしまう生き物なのだ。 

 

では、その一万円札を

 ポケットに入れた人がわるいのか?

 

 「それは違う」と稲盛氏はいう。

 

もともと人間は「性弱」であり、

 

むしろ、

 

 「一万円札が床に落ちていたり、

  そこらじゅうに雑然とおいて

  あったりすることに問題があって、

  その点を深く反省すべきなのだ」

          

と稲盛氏は言っている。

 

人間は「性善」か「性悪」かといった

   論争がしばしばあるが、

 

1990年代に入ってから「性弱説」

 ―-人の心の弱さが過ちをもたらす、

 

という考え方が登場した。

 

「性悪説」に基づいて

「魔がささないシステムをつくれ」

というのはさびしいものがあるが、

 

一万円札が何十枚も何百枚も

転がっていたら、

 

「一枚ぐらいとっても

   わからないだろう」

 

と思うのが人間である

ということを前提にして、

 

「厳しく取り締まるシステムを

   作らなければならない」

 

と稲盛氏はのたまう。

 

この「前提」が大事なのである。

 

企業内のコンプライアンス違反が

 毎日のように発生している昨今、

 

違反者にばかりに罪を

押し付けるのではなく、

 

「人間性悪説」に基づいて

再考してみる必要がある。

 

稲盛氏に言わせれば、

 

「もし、企業内のシステムが

 整わないところで違反者を

 作ってしまったとしたら、

 

 それは本人が悪いのではなく、

 会社が悪い」

 

ということになる。

 

「人間性弱説」にのっとって、

コンプライアンス全般に関する

考え方・やり方を見直してほしい。

 

<今日の名言>

自分がなりたいと思うような人間に、

既になった気持ちで行動せよ、

間もなく必ずそうなる。 

    ジョージ・クレイン

 

*自分の夢がすでに実現したかのように、

 振舞うことが究極の夢の実現方法

 ということになります。

 

     

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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