◇ そうしたとき、3月27日に
米主要紙のひとつである
「USA Today」 に
興味深い記事が掲載された。
それは
「8つの株が世界を循環している、
科学者に与えたヒントがこれだ」
という題名の記事だ。
これは、これまで
さまざまな研究者が行っていた
新型コロナウイルス(Covid-19)の
遺伝子解析をすべて総合した結果、
新型コロナウイルスの
進化と変異のタイプが判明したという。
DNAの二重螺旋やRNAは
特定の塩基を組み合わせた
塩基対でできているが、
新型コロナウイルスの塩基対は
数が少なく3万しかない。
人間では30億近くある。
塩基対が少ないため、
塩基対で起こる変化は容易に追跡でき、
新型コロナウイルスの株の
系統樹が作成できるという。
これで、どの株が親であり、
どれが子や孫であるのかが一目で分かる。
6つの大陸にわたる36の国の
感染者から採取した新型コロナウイルスの
塩基対の分析に基づいて
株の系統樹が作成された。
すると、新型コロナウイルスには
異なった8つの変異型があることが分かった。
研究者は協力して
「NextStrain」
というサイトを立ち上げた。
ここは新型コロナウイルスにみならず、
「SARS」など最近蔓延した代表的な
ウイルスの変異型も表示している。
メニューで「Covid-19」を選ぶと、
いま発見されている株の
系統樹を見ることができる。
下がそのアドレスだ。
ぜひ見てほしい。
「Play」のボタンを押すと、
ウイルスの拡大と進化の状況が
アニメーションで見ることができる。
https://nextstrain.org/ncov?animate=2019-12-05,2020-03-29,0,0,30000
◇ 今回明らかになった
8種類の変異は、
氷山の一角かもしれないが、
それでも今回の包括的な調査で
次の事が明らかになった。
1)新型コロナウイルスは比較的に進化が遅い
2)変種の間の毒性はほとんど変わらない
3)新型コロナウイルスは
研究所で作られたものではない
4)東アジアのウイルスと北米、ヨーロッパの
それとは異なったタイプである
◇ これが、いままで
さまざまな見方が出ていた
新型コロナウイルスの変異型に関する
もっとも包括的な研究である。
もちろんこれがすべてではなく、
毒性の強い新しい変異型が
発見される可能性もある。
またこのウイルスが人工的に
作成されたことを示す別な証拠が
出てくるかもしれない。
少なくともその可能性は否定できない。
しかしながら、現時点では、
この「NextStrain」が
最新の結果だ。
このサイトで、
新型コロナウイルスに関する
さまざまな最新情報を
参考にしていただきたい。
完
今日一日の人生を大切に、