◇ 中国では、
コロナウイルスの影響より、
冬休み明けに学校が
全部閉鎖されたものの、
政府が「停課不停学」方針を宣言し、
(授業を止めても学びは止めない)
各教育機関がオンライン上での
授業を開始した。
◇ その恩恵を受け、
教育・学習アプリ全体のDAUは、
*DAU :1日あたりのアクティブユーザー
2020年冬休み前(2020/1/2~1/8)の
8,700万人から、
冬休み後(2020/2/3~2/9)の
1億2,700万へと46%増加した。
◇ その中でも、幼稚園から高校終了
(12年生/高校3年生)までの
教育を示す「K12教育」の
DAUが大きく伸びており、
冬休み前後において
2,381万人増加している。
上図のアプリ全体における
冬休み後のDAU増加数ランキングを見ると、
仕事効率化アプリ、
オンラインビデオアプリに次いで
「K12教育」が3位に食い込んでいる。
◇ コロナウイルスの影響を受けて、
教育アプリだけでなく、
大手IT企業もこぞって
オンライン教育に参入している。
例えば、Alibabaの
オフィス用管理ツール「Ding Talk」は
「オンライン授業」機能を緊急で追加し、
102人までがオンラインビデオに
同時参加出来る機能や、
出欠管理や通知機能などを無償提供し、
多くの教育機関で採用されている。
その結果、休みたくても休めないと
学生の恨みを買い、星1の低評価が殺到した。
◇ 実はコロナウイルスが流行る前にも、
中国のオンライン教育市場は
成長領域として注目されていた。
中国のコンサルティングファームである
前瞻産業研究院の研究報告によると、
2019年のオンライン教育の
ユーザーは 2.59億人
市場規模は 約2.4兆円 と
大きな市場になっている。
市場規模だけに着目すると、
2016年の約1.1兆円 から
毎年20~30%以上伸びていることがわかる。
◇ その中でも、特に中国の
K12(幼稚園から高校終了まで)
オンライン教育の市場が
大きく増加しており、
同コンサルティングファームの
報告によると、
2017年には約4,481億円と
対前年比で52%も伸びている。
2017年におけるオンライン教育市場全体に
占める割合は31%だが、
今後も大きく成長していくことが見込まれる。
◇ 一方、日本のオンライン教育の
市場規模は、
矢野経済研究所の予測によると
2019年で 2,279億円
中国の市場規模の方が
約10.5倍 も大きくなっている。
◇ また、成長率は前年の2018年
に対して4.3%程度となっている。
中国の人口スケールを加味すると
市場規模の差は妥当だと思われるが、
成長率を比較すると中国市場が
急成長していることは明白だ。
そのくらい、
中国は教育に対して熱心だということだ。
◇ 日本では、
すでに新年度が始まっているが、
授業が始まっていない学校が多数ある。
オンラインでの授業等についても
計画はあるものの、まだ先の話しであり、
具体的には伝わってこない。
これに対して、中国は、
国内が悲惨な状況下でも
「学びを止めない」
という姿勢を貫いている。
オンラインビジネスの成長戦略も大事だが、
それよりも増して、
自国の子供達の学びを止めないという、
教育に対する確固たる姿勢の方が
大事ではなかろうか。
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