◇ 2020年は新型コロナウイルスで
波乱の幕開けとなったが、
日本政府が中国人観光客の
入国制限をしなかったために、
国内で新型コロナウイルスの発症者が
次々と発生する事態となった。
今の感染者の確認数は
実は低めに抑えられている。
今後、検査態勢が整っていくと、
感染者はより一層多くなる。
検査が増えて感染者が発覚すると、
そのたびに隔離や封鎖が
強化されていくため、
実体経済はかなり悪化していくことになる。
◇ すでに、愛知県の老舗温泉旅館が
倒産するとか、
北海道の食品会社が
売上激減で倒産するとか、
国内最大級のレストランクルーズ船を
運営しているルミナスクルーズが
倒産するような事態が起きている。
旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は
今期11億円の赤字に転落する。
JTBは、2019年3月期の連結決算で
151億円の巨額赤字を出しており、
今期も厳しい現実に直面することになるだろう。
しかし
これは序章である。
幕は上がったばかりである。
これからが本番であり、
人類が経験したことのない
世界の幕開けである。
◇ 国連の専門機関である
ICAO(国際民間航空機関)は、
1月から3月までの3ヶ月間で、
日本の観光産業は、
「およそ1400億円の損失が見込まれる」
と述べている。
新型コロナウイルスの問題は
3月で収束するわけではない上に、
観光客の減少によって
影響を受けるのは観光業だけではない。
たとえば
化粧品企業 や ドラッグストア、
電化製品メーカー や イベント企業、
外食産業全般も大きな影響を受ける。
すでに日本経済は、
安倍政権が消費税を10%に
引き上げたことによって、
2019年10-12月期のGDPが
年率換算でマイナス6.3%に
落ち込むという事態になっている。
そこに新型コロナウイルスの
ダメージが加わるのである。
◇ 日本の企業は99%は
中小企業だが、
新型コロナウイルスは
中小企業の経営を直撃する。
問題が長引けば長引くほど
悪影響を受ける企業が増えていく。
◇ 新型コロナウイルスの問題を
収束させるのは、
特効薬(ワクチン)の開発が
必要不可欠だ。
しかし今のところは、
まだワクチンの成功と供給の
メドは経っていない。
そのため、日本のほぼすべての企業が
新型コロナウイルスによって、
甚大なダメージを受けることになる。
◇ 政府は総額5000億円の
緊急貸付を行う。
しかし、
「貸付」というのは借金である。
中小企業の多くは、
すでに負債を抱えて
綱渡りの経営をしている。
事業を継続するために
さらなる借金をするのだから、
経営状況が悪化するのは目に見えている。
国内のほとんどの企業が
景気悪化を想定した場合、
次に起きるのは非正規雇用者の
雇い止めや正社員のリストラである。
そこまでいかなくても、
従業員に一時休暇を取らせたり、
就業時間を短縮させたりする動きも出てくる。
こうした動きは最終的には
人々の収入減につながっていく。
景気が悪化すれば必ず
社会の弱い層から切り捨てられていくが、
新型コロナウイルスで起きている
社会の不安定化も同じ結果をもたらす。
すでに観光業界ではバスツアーが激減して、
非正規雇用のバス添乗員の収入が
ゼロになっている。
これが全業種に
これから広がっていくことになる。
つづく
今日一日の人生を大切に!