◇ 義務と権利について、
このように整理してみると、
私たちが考えるべきは、
義務から権利への視点の転換
ということになる。
個人の視点で見た場合なら、
生活を守るための労働から
自己実現のための労働に
どう結び付けてゆくか、
ということを考えることになる。
しかし、それは個人としては
限界がある取り組みだ。
目の前の生活に必死な状況で、
自己実現なんて言われてもむなしい。
◇ トンビがここで示したいのは、
社会側の仕組みをうまく活用すること。
たとえば「互助」というキーワードがあるが、
その最たるものは生活保護であり、
失業者への給付金ということになる。
短期的な助けを得られる仕組みが互助だ。
そして互助の仕組みは、
企業で働きながらでも活用することができる。
たとえば社会人の学びなおしのための
教育訓練給付制度 はわかりやすい仕組みだ。
◇ また企業によっては、
教育だけでなく、
財産形成のための補助や、
確定拠出型の退職金の仕組みを
導入していることもある。
これらはいずれも個人の生活を
助けるために使えるものであり、
義務としての労働負担を
下げられる可能性を高める。
◇ また転職の機会が増えていたり、
起業のためのアイデアイベントが
増えたりしていることは、
社会の視点からの権利拡大の仕組みだ。
企業に置き換えてみると、
副業の促進なども含まれる。
これらの機会をうまく活用することで、
個人としての自己実現の可能性を
高めることができる。
◇ 重要なことは、
目の前にある会社の仕組みを、
多面的に見ること。
単純に定年から再雇用されて、
だから何歳まで働ける、
そこで稼げる金額はいくら、
という風に考えてしまうと、
柔軟性も可能性も縮んでゆく。
それらは義務として
労働の視点に基づくものだからだ。
◇ 我々がよりよい生活、
よりよいキャリアを築くためには、
権利としての労働を
意識しなくてはいけない。
そのために、社会や企業が
用意してくれた選択肢を
使いつくすことがとても重要になる。
しかし、実はそれよりも、
もっと重要なことがある。
それは、
雇われるのか、
それとも自ら起業するのか?
この目線が、これからの時代、
より重要になってくるのである。 完
今日一日の人生を大切に!