◇ このようにアメリカは不利な点が多く、
採算ラインには乗りにくい
「mmWave」を
使わざるを得ない状況にある。
では、中国はもちろん「sub-6」で
統一されているものの、
他の国々はどのような状況なのだろうか?
この国防総省の報告書では、
5Gの導入準備が進んでいる
日本と韓国を中心に、
他の国々の対応状況を掲載している。
それによると、以下のようになっている。
<中国>
IT製造大手の「ファーウェイ」と
国有企業の「ZTE」は、
2020年の5Gの本格的な商用利用を前に、
「sub-6」のインフラの構築を急いでいる。
すでに35万本のアンテナを設置した。
これはアメリカの10倍である。
また、「チャイナ・モバイル」、
「チャイナ・テレコム」、
「チャイナ・ユニコム」
の大手3社のキャリアも、
「sub-6」の5Gのサービス開始に向けて
準備している。
またファーウェイは、
すでに1万台の「sub-6」の
基地局を海外に輸出した。
これからさらに増大する見込みだ。
<韓国>
中国に次いで5Gの開発を
急いでいる韓国は、
「科学技術情報通信部」によって
「mmWave」と「sub-6」の両帯域が
「SK・テレコム」、「KT・コープ」、
「LG・ユープラス」の3大キャリアに
オークションに出された。
韓国の企業はアメリカの「ベライゾン」と
「AT&T」と協力関係にあるため、
「mmWave」の採用を決定すると
見られていたが、実はそうではない。
韓国はリスクを分散するため、
「mmWave」と「sub-6」の
両帯域の可能性を追求している。
事実「サムスン」は、
「mmWave」と「sub-6」の
両方に対応可能な
スマホの機種を開発している。
<日本>
中国、アメリカ、韓国に次いで
開発が行われているのが日本だ。
日本では、「mmWave」と
「sub-6」のどちらの帯域でも,
割り当てやオークションは
まだ行われていない。
しかし「総務省」は、
人口密集地では「mmWave」を使い、
人口が比較的に希薄な郊外や地方では
「sub-6」を導入する方向で検討している。
日本は、2020年のオリンピックを
5G導入の大きな契機にする計画だ。
いま「NTTドコモ」、「KDDI」、
「ソフトバンク」のキャリアは、
5Gのテストを行っている。
<その他の世界の地域>
中国、アメリカ、韓国、
日本の後に続く国々が
ドイツ、フランス、イギリスである。
さらにその後には、シンガポールとロシア、
そしてカナダが続いている。
トランプ政権は同盟国に「ファーウェイ」の
通信システムや製品をボイコットするように
圧力をかけているが、
イギリスとドイツは
「sub-6」の「ファーウェイ」の機器を
5Gで使う方向に動いている。
その他の国々はまだ様子見の状態で、
明確な方針はない。
世界の5Gの主流が決まると、
それにしたがうことになるだろう。
いまのところ5Gをリードしているのは
中国なので、
中国の「sub-6」が主流になるだろう。
◇ これを見ると分かるように、
韓国も日本も「mmWave」と
「sub-6」の二股をかけ、
どちらにでも対応可能な状態を
目指している。
EUや中国の「一帯一路」の国々、
また中国の進出が加速している
アフリカなどは、
中国の「sub-6」と「ファーウェイ」の
設備や機器が制することになるだろう。
カバーするエリアが非常に狭い
「mmWave」に固執するアメリカは、
こうした世界の潮流から孤立し、
ガラパゴス化することだろう。
つづく
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