◇ 東京駅の東側には、
「八重洲」という地名の
商業地が広がっている。
地名の由来は、四百年ほど前に遡る。
◇ 慶長五年(1600年)四月、
オランダ商船のリーフデ号が、
現在の大分県臼杵に漂着した。
当時、船員たちの処遇に当たったのが、
徳川家康であった。
◇「キリスト教の布教に来たのか」
と問い質すと、
航海士であり、貿易商であった、
ヤン・ヨーステンは、
「純粋に貿易しに来た」 と答えた。
納得した家康は、
ヤン・ヨーステンを江戸に招き、
「耶楊子 (やようす)」という日本名を与えた。
◇ その後、ヤン・ヨーステンは、
日本とオランダの貿易発展に尽力した。
そして、日本名の「耶楊子」が
「八代洲(やよす)」→「八重洲」
に変遷していき、
彼の住まいが現在の東京駅周辺にあったため、
「八重洲」という名称がつけられた。
◇ 全国のさまざまなな地名には、
土地の特徴や、「鍛治屋町」「問屋町」
といった職業からくるものなど、
それぞれの由来がある。
旅に出るときには、
事前にその地名の由来等を
知識として持つことができれば、
今は面影のない、その地の歴史や文化に
触れることができるかもしれない。
東京駅八重洲口を訪れた際には、
この由来をぜひ思い出してほしい。
今日一日の人生を大切に!