◇ 40歳からの早期退職が
猛烈に加速する世の中を見ていると、
労働力不足は大ウソで、
実際には低賃金で長時間働いてくれる
人材や建設関係の労働力や、
介護にかかわる労働力などが、
圧倒的に不足しているだけで
あることがわかる。
◇ 国内企業はこれまで、
昭和、平成は、なんとか終身雇用を
維持することができため、
潜在的に500万人はいるのでは?
とされてきた大手企業を中心とした
社内失業者たちが、
ここに来て、
外部に放逐されるようになり、
有能な人材以外は
会社に残れない時代になりつつある
ということを皆さんはお気づきだろうか。
◇ 東京商工リサーチが
大規模な早期退職者募集を行う
企業の状況を発表しているが、
2019年の上場企業の早期退職や
希望退職の対象が9月末時点で、
既に 27社・ 計 1万342人
を超えたと伝えた。
年間1万人を超えたのは6年ぶりであり、
リーマン・ショック後の
2010年を超える状況となっている。
◇ また1,000人規模の
早期退職募集を行う企業は、
今年上半期だけでも3社あり、
つい最近では
セブン&アイ・ホールディングスが
3,000人規模のリストラを発表しており、
雇用情勢はかなり悪化していることがわかる。
いわゆる肩たたきによる
退職というものが、
想像以上に進んでいることを、
あらためて実感させられる。
◇ 景気の悪い企業では、
人員削減やむなしという見方も強いが、
国内企業の内部留保額が
日本のGDPと同額もしくは
それを上回るほどになっている状況下で、
高収益企業でも人員削減が
断行されようとしているのは、
正直驚き以外の何物でもない。
◇ これまでバブル入社組で
過剰に雇用した45歳以上の社員が、
一斉に人員削減の対象として
狙われてきている話は、
何回か聞いたことはあったが、
いつに間にか、40歳以上が
早期退職のターゲットになっており、
日本の企業はすでに、
新卒から20年という期間でさえ、
会社にはいられないように
なってきていることがわかる。
◇ これまでの時代は、ITやIoTなどで
大きな変化が企業に求められても、
企業内で新たな能力をもった人材を
育てるということが多くみられてきた。
しかし、いまの中途採用は、
社内に存在しない能力を
補うことが中心になっており、
一般企業におけるきわめて
コモディティ化している人材の、
ほかの企業への転職が
かなり難しくなっているのである。
◇ またM&Aの加速により
同業社に買収されるリスクも
非常に高くなってきており、
これまでのように自社内では
際立った知見の社員でも、
買収先では、
必ずしもそうではなくなるという
評価激変の可能性が高まりつつある。
◇ 大手企業の40歳からの
早期退職などが顕在化するのは、
こうした企業の環境変化の現れであり、
これからは、
サラリーマンが一生働き続けることが、
きわめて難しい時代になってきていることを
痛感させられる。
つづく
今日一日の人生を大切に!