◇ 子供たちがお小遣いや
お年玉をもらったとき、
多くの親は「貯金しなさい」という。
もちろん、
「今度出る新しいゲームソフトを
買うために貯金するんだ」と、
子どもが自発的に貯金する分には構わない。
それは子どもながらに「目的」があり、
その目的を達成するために、
今は何を優先させなければならないか、
わかっているからだ。
そうやって子ども自身の意志があって
貯金するのなら問題ないが、
何もなく ただ「貯金しなさい」と
命令するのは親の思考停止の現れにすぎない。
◇ 今さら言うまでもなく、
「お金は交換の道具」だ。
何かを成すための手段に他ならない。
もちろん価値を保存したり
保険としての機能もあるが、
しっかりお金を使えない習性が身につくと、
あまり人生を楽しめない生き方になってしまう。
◇ これは子どもに限らず、大人でも同じだ。
そもそも、貯金するということは
「使えるお金を少なくする」ことであり、
それは、
「選択肢を狭める」
「できることを制限する」
ことにほかならない。
そのため、
「お金を使えばできたであろう
様々な経験をしないままの日々を過ごす」
ことになる。
◇ お友達と映画や
コンサートに行って楽しむ。
学校帰りにファーストフード店に行って
おしゃべりする。
語学学習のために電子辞書を買う。
バンド結成のために楽器を買う。
お金を使えば、人生の楽しみの
幅も深さももっと広がるのに、
それをしないで貯金に励む。
こんな生き方は寂しくないだろか。
◇ しかし大人でも結構こういう人は多い。
死んだときが人生で
もっともお金持ちだった…
という笑えない話もよく耳にする。
家族にたくさんお金を残せて幸せだったと
思えればいいのかもしれないが。
その家族がまた、
そのお金をため込んでしまう
ことになりかねない。
貯金に励む人は、
お金に執着している、ということであり、
本当に使うべき時に
大胆に使うことができなくなってしまうのである。
思い当たる節はないだろうか。
つづく
今日一日の人生を大切に!