◇ ロシアのプーチン大統領と
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)
朝鮮労働党委員長による
初めての首脳会談が 4月25日、
ウラジオストクで開かれた。
2月の米朝首脳会談決裂を受け、
朝鮮半島の平和体制構築について意見交換し、
地域の安定に向けた連携強化で一致。
金委員長が自国の非核化を含む
「朝鮮半島情勢の共同管理」の意義を
強調するのに同調して、
プーチン氏も半島問題での外交的解決で
積極的役割を果たすと表明し、
両国の協力関係を強調した。
◇ 金正恩とプーチンの単独会談が2時間、
閣僚を交えた拡大会合が1時間半、
計 3時間半 話し合った。
合意文書はなく、朝鮮半島情勢、
非核化、経済・軍事協などについて、
「意見交換」したということだろう。
◇ では金正恩は、何のためにロシアに
行ったのだろうか?
それを理解するためには、
彼の現状を知っておく必要がある。
◇ 北は、「段階的非核化」を主張している。
いきなり完全非核化はしない。
北は、まず少し非核化する。
そしたら国連安保理は、
少し制裁を解除する。
北は、また少し非核化する。
国連安保理も、また少し制裁を解除する。
このプロセスを遅々と繰り返しながら、
最終的に完全非核化をする、と言っている。
しかしこれは北のウソの
でっち上げのシナリオだ。
そう、これが北の常套手段なのだ。
◇ 北が少し非核化して、
一部制裁解除が実現すれば、
中国・ロシア・韓国から
大金が流れ込んでくる。
大金が入ってくれば、
核兵器を手放す理由がなくなってしまう。
そこでアメリカ、日本は、
あわてて再び制裁を
強化しようとする。
しかし今度は、拒否権をもつ中国、
ロシアが反対するので、
制裁を再強化できなくなってしまう。
だから、北は「段階的非核化」を
やるのである。
◇ 先月、北朝鮮の金正恩は、
「もう一部非核化したのだから、
制裁を解除してくれ!」
とトランプ大統領にいった。
しかし、アメリカは過去に何度も
だまされた経験があるので、
段階的非核化に応じなかった。
結果、北朝鮮は、
経済的に非常に苦しい状況のままである。
つづく
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