◇「前衛短歌の三雄」と称された塚本邦雄。
31文字のなかに異形の世界を
つくりあげた歌人。
塚本邦雄氏にはいくつかの異称があった。
「言葉の魔術師」
「負数の王」 ともいう。
◇「日本脱出したし
皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係も」
皇帝ペンギンは本来寒い地域に棲む動物。
日本のような温帯からは
脱出したいと思うのは当然。
その本人自身も飼育係となって、
棲みにくい日本から
脱出したかったのではなかろうか。
次に本人のことば。
◇ 負の10を負の10とかけると
プラス100になる。
その100と、正の10を10倍した100は、
同じ100でも意味が全く違う。
それがわからなかったら詩歌はわからない。
プラス×プラスには、何の陰翳もない。
何事にも「陰翳」が必要だと彼は言っている。
もうひとつ。
◇ 芸というものは、八方円満、平穏無事、
浪風たたずという環境で、
育つものではない。
あらゆる障害、圧迫、非難、
嘲笑をあびせられて、
それらを突き抜け、押し破り、
たたかいながら育つものだ。
◇ 世間を見回しても、
順風満帆で世を渡ってきたあの人、
この人の刻みの浅い人生観、
プラス×プラス がいかにつまらないか。
欠点、短所、キズ、変人、
変態、負数もまた天の恵みである。
トンビの周辺はなんと恵み多いことか!
<今日の名言>
常に一歩前進することを心がけよ。
停止は退歩を意味する
野村徳七(野村證券創業者)
*人は歩みを止め、
闘いを忘れてたときに老いていく。
人生死ぬまで進むしかない。
今日一日の人生を大切に!