◇ 在学中に全員が必ず起業する――。
こんなユニークな特色を掲げる大学が、
2020年春にも開校する。
日本電子専門学校などを運営する
学校法人電子学園(東京・新宿)が
設立準備を進める「i専門職大学」だ。
◇ どのような人材育成を目指すのか。
人工知能(AI)などの技術革新が
加速するなか、産業界を中心に、
より実践的で創造力の高い人材を
育成するための職業教育を求める声が
高まっていたことが背景にある。
2020年春に開学を予定するi専門職大学は、
大学と産業界とが連携して学生を育成する
プラットフォームを目指すという。
◇ その特色として学生に求めるのは
「ICT(情報通信技術)を徹底的に使いこなす」
「ビジネスの現場で実践する」
そして
「在学中に必ず起業する」という点だ。
起業をしない限りは卒業できないと厳しい。
◇ 米国でマイクロソフトやフェイスブックなど
学生が始めたサービスやコンテンツが
ビジネスとして大きな成功をおさめた背景として、
大学がプラットフォームとなり、
地域コミュニティーや企業からのサポート、
投資家の援助などがあったと分析する。
今もICT分野で大学が新しいビジネスを
生み出している米国に対し、
日本にはそういった仕組みを持つ
大学がないことから、かねて日本における
「デジタル超学校」構想を考えていたという。
教授陣も富士通やNTTグループといった
IT(情報技術)企業やメディア企業、
ユニークなところでは吉本興業といった
大手企業の最前線で幹部を務める
現役の企業人が就任予定だ。
◇ 今回の学校教育法の改正で、
実務での卓越性があれば、
博士号資格や論文実績がなくても
専任教授になれ、
さらに企業に勤務しながらでも
就任が可能になった点を生かす。
産業界との連携による
現場での教育にも力を入れる。
ICT産業やメディアなどの
クリエーティブ系のほか、
金融、製造業など多様な分野の企業が協力し、
ビジネスプロジェクトの場を提供したり、
インターンシップ(就業体験)の受け入れや
学生の起業を支援したりしていく。
専門職大学の規定では、
在学中に600時間以上の
インターンシップが必須となっている。
i専門職大学は連携する企業に、
学生を社員と同様の仕事に就かせてもらう
交渉をしているという。
i専門職大学はすべて自己資金による
私立大学となる。
立地にあたっては、
様々な要素を勘案した結果、
東京都墨田区 が選ばれた。
東京23区の中で唯一、大学がなく、
「大学の杜(もり)構想」を掲げ、
誘致活動を展開していた。
◇ ICTを中心とした専門職大学なので、
2020年に小学校の必須科目になる
プログラミング教育では、
地元校のサポートも検討する。
高齢者にICTの学びの場を提供する
といった協力も考えられる。
教授用の個室は設けず、
400平方メートル強のワンフロアを
26人の教授がシェアするという設計で、
学生と教授がオープンな環境で
研究を進められるようにする。
プレゼンテーション専用の
スペースも設ける予定だ。
学生による起業の初期費用や人事、
法務などのプラットフォームは
学校がサポートし、
新規株式公開(IPO)などによる収益で
まかなえるようにするのが理想という。
そのための会社の設立も計画している。
年齢も国籍も様々な学生が
集うことになるi専門職大学。
大学の中で多様性を実現し、
日本の企業が必要としている
世界で通用する人材を育てることができれば、
日本の未来は明るい。
トンビも もう少し若ければ、
こんな大学で学んでみたい。
ぜひ実現してほしい。
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