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認知症治療薬の新薬ひとつでエーザイが様変わり     vol.338

 

◇7月初旬に認知症新薬の臨床試験で

    有効性を確認したと発表。

 

それ以降、株価の上昇率は4割を超え、

完全に水準を切り上げた。

 

先進国を中心とした高齢化で

需要増が確実な認知症の分野。

 

投資家の期待はかつてなく高まっている。

 

「予想外の成果。本当に驚きました」

 

治験結果を受け、

多くの担当アナリストは口をそろえた。

 

取引開始前に発表すると、

株価は2営業日連続でストップ高に。

 

時価総額はわずか1週間で

約9400億円も増えた。

 

◇ 新薬1つにそれだけの

   “値札”がついたとも解釈できる。

 

エーザイが効果を確認したのは、

米バイオ医薬大手バイオジェンと

共同で開発している

 

アルツハイマー病治療薬「BAN2401」

 

通常3段階ある治験のうち、

比較的少数の患者を対象に有効性などを

確かめる第2相治験を完了した。

 

治験18カ月時点の最終結果で

 

「統計学的に有意な症状の進行抑制があった」

 

という。

 

かつてエーザイの収益を支えた

認知症薬「アリセプト」と比べ、

より長期間にわたり進行を抑制する。

 

なぜ、エーザイにこれほどの注目が集まるのか。

 

今回の治験では、認知症の原因物質とみられる

たんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」が

脳内で減ることを確認した。

 

Aβは脳に蓄積すると

神経細胞が機能障害を起こし、

細胞死をもたらすとされる。

 

しかし近年は名だたる海外大手の

治験失敗が相次ぎ、Aβ仮説そのものを

疑問視する向きも出ていた。

 

それだけにエーザイが共同開発する新薬の

成果の衝撃は大きかったというわけだ。

 

◇ 認知症の患者は国内だけで

    2025年に 700万人 を突破する見通し。

 

世界の認知症薬関連の市場規模は

4000億円程度とされるが、

 

エーザイは20年以降に1兆円規模まで

拡大すると予想する。

 

エーザイはバイオジェンとAβを

標的にした新薬を3品目開発中だ。

 

製薬ビジネスは年間売上高が

1000億円を上回る大型新薬を

生み出せるかが業績を大きく左右する。

 

世界の高齢化が急速に進むなか

 

「開発品の1つでも当たれば4000億円規模の

               収益貢献が見込めるのではないか」

 

との声もある。

 

認知症分野の研究開発費はかさむが、

エーザイの19年3月期の連結純利益は

最高になる見込みだ。

 

創薬の世界は日進月歩。

 

ガンはしょうがないしても、

認知症だけは避けたいと

トンビは思う。

 

実用化に向けてエーザイが

着実に成果を積み重ねられるかが

今後のカギになる。

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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