◇ 料理、日曜大工、外遊び……。
カジダン、 イクメン時代
お父さんへの期待は高まる一方だが、
無理がたたればそれも長続きしない。
そこで、
忙しいお父さん、お母さんにとって
頼りになるのが、もう1人の「お父さん」だ。
え~ そんなのあるの?
子供好きが登録する「お父さんバンク」
なるものができて、「お父さん」代行サービスが
いまひそかなブームを呼んでいる。
別のお父さんがいっしょに遊んでくれるので
子供たちもニッコリ笑顔だ。
お父さん、たくさんいてもいいんじゃない?
お父さんが2つの家族を兼務する形は
トンビも今まで何度かみたことはあるが、
家族の中に2人以上のお父さんがいるのは、
なんとなく違和感を感じる。
お母さんにとっては嬉しいことかもしれないが。
◇「はるちゃん、ガンバレー!」 「ガンバレー」
6月、都内の小学校で開かれた運動会。
徒競走で一生懸命走る小学6年のはるちゃんに
声援を送っているのは 2人の「お父さん」だ。
2人とも はるちゃんと
血のつながりがあるわけではない。
「お父さんバンク」に登録され、
母親の依頼で運動会の応援に駆けつけた
臨時のふたりのお父さんなのだ。
撮影係、お弁当係 などそれぞれ役割を分担して、
はるちゃんを応援する。
◇ DIY、段ボール遊び、きりたんぽ鍋づくりなど、
お父さんバンクには、それぞれ特技を
もった子ども好きの男性が
「お父さん図鑑」に登録されている。
フェイスブックなどを通じて
「お助け」の依頼ができる仕組み。
利用料は無料で、
お父さんは完全にボランティアだ。
子育てを手伝いたい人が
その日限りのお父さんとして活躍している。
ランチタイムは、2人のお父さんや祖父母、
母親の友人らと一緒に、はるちゃんとお弁当を食べた。
「にぎやかで、たくさんいた方が楽しい」と
母親もニッコリ笑顔だ。
お父さんバンクでは、お父さん候補を募集中で、
希望すれば女性も登録OKという。
◇ お父さんといえども万能ではない。
苦手なことに助っ人として活躍するのが
男性シッターだ。
キッズライン(東京・港)が運営する
シッターのマッチングサイトでは、
男性シッターの登録がじわじわと増えている。
子どもはいくら遊んでも遊び足りないもの。
シッターも負けじと笑顔で外を駆け回る。
「木登り、ドッジボール、
バスケットボール、スキー、キャンプもOK」と
運動が苦手なお父さんには心強い。
この日も、まぶしい日差しが降りそそぐ公園で、
お昼から日が暮れるまでたっぷり、
木登りやボール遊びをして2人の兄弟と遊んだ。
「お父さんの方が好きだけど、
色々遊んでくれるお父さんも好き」と男の子(8)。
この子のお父さんは土日も仕事が多く、
母親も
「一日外遊びは体力的にきついときもある。
シッターさんに頼めば子育てを
楽しむ余裕ができる」
と頼りにしている。
遊ぶだけでなく、ちょっとしたお父さんの役割の
「外注」も増えているようだ。
お父さんもレンタルする時代なのだ。
とうとう、このような時代になってしまった。
子供と遊んだり、お世話をするだけでなく、
お母さんをお世話する
もう一人のお父さんが出現する日も近い。
今日一日の人生を大切に!