◇ 6月26日 日経新聞朝刊に
「さよなら、おっさん」
という見出しの広告が12面の
全面を使って大きく掲載された。
とうとうここまできたか、という思いで、
以下のメッセージを読んだ。
あー、またか。みたいな、
困った出来事多いですよね、最近。
それ、だいたいの場合、
「おっさん」のせいです。
と言ってもそれは、誰か個人の話ではなく、
年齢とか性別の話ではなく、
それはつまり、この国の、
凝り固まった価値観やルールのことです。
世の中の変化に対して、見て見ぬふりをする。
能書き並べて、言い訳ばかりする。
試そうともせず、すぐに「できない」とか言う。
そんな「おっさん」に、負けないために。
今知るべき情報と生の意見で、
この国のか価値観をアップデートすること。
大げさに言えば、それは私たちの使命です。
自分、もう「おっさん」ですけど。
そう思った方も、ご安心を。
人は、情報でいくらでも
若返ることができる生き物、ですから。
◇ このメッセージを読んで、
「おっさんに対して失礼だ」
「日本経済界の重鎮たちが読む新聞で
おっさんを否定するとは、
反感を買うだけではないのか」
と感じた方も多いかと思う。
トンビのブログでも
「時代錯誤のおじさん」は
日本を死滅へと向かわせる ①、②
http://dr-tonbi.jp/2018/06/06/0286/
http://dr-tonbi.jp/2018/06/07/0287/
でこのテーマを取り上げたが、
本質的には同じだ。
昭和のOSのまま、アップデートを怠った組織は、
その結果として、「時代錯誤のおじさん」を
多数産み落とした。
そしていま、
そのおじさんたちが加害者、
いや被害者になっているのだ。
それは、新たなOS(平成)に変化したのに、
おじさんたちのアプリケーションが
そのままだからだ。
◇ しかしなぜ今こんなコピーを打ち出したのか。
それは、
このまま時代錯誤の「おっさん的価値観」が
日本の経済界を支配し続けると、
日本企業も日本経済も衰退し続けてしまう、
という強烈な危機感があるからだ。
財務事務次官のセクハラ、
日本大学アメフト部の危険タックル問題など、
今年に入ってから世間をにぎわせている
問題には共通点がある。
それは、
「 おっさん中心の価値観」
「おっさん中心のシステム」
から生まれたものである。
男性優位かつ上意下達かつ年功序列かつ
終身雇用かつ生え抜き重視。
そうした社会で生きてきた
昭和の旧バージョンの人と、
よりフラットで多様な社会で生きてきた人との
あつれきが一気に噴出しているのだ。
◇ ここでいう「おっさん」とは
年齢のことではない。
トンビがいう「おじさんのアプリ」
すなわち
マインドセットや価値観のことなのだ。
古い時代の価値観やシステムに拘泥し、
新しい変化を受け入れない。
自分の利害のことばかり考え、
未来のことを真剣に考えない。
フェアネスへの意識が弱く、
弱い立場にある人に対し威張る。
そうした時代錯誤の
「おっさん的価値観」が牛耳る日本社会や
日本経済と決別しようというメッセージこそが、
「さよなら、おっさん。」なのだ。
◇ 「自分はおっさん化とは無縁」と
思い込んでいる人ほど、
危ないと思ったほうがいい。
「さよなら、おっさん」と
自らに言い聞かせて、
思い切って時代錯誤のおじさんアプリを
バージョンアップしてほしい。
個人にとっても企業にとっても社会にとっても、
プラスの効果をもたらすのは間違いない。
今日一日の人生を大切に!