「いい人と歩けば祭り、悪い人と歩けば修行」
小林ハル
◇ 俗に「親と上司は選べない」
というが、まさにその通り。
同僚にしたって、部下社員にしたって、
好きに選ぶことはできない。
特に上司に恵まれなかった場合は、
社員にとっては地獄。
同じ空間に身を置く不幸を宿命とあきらめて、
ともに歩かなければならないのが
人生というものだ。
しかし最近は、
そんな地獄はまっぴらゴメンと、
あっさり辞めてしまう社員も実に多い。
また辞めた社員が、新入社員の場合は、
その指導責任を上司に押し付けられたりする。
したがって、上司も気を使い、
いつのまにか新入社員は
「金の卵」と化してしまった。
◇ 小林ハルさんは「最後の瞽女(ごぜ)」
と呼ばれた方。
瞽女(ごぜ): 近世まではほぼ全国的に活躍し、
20世紀には新潟県を中心に
北陸地方を転々としていた。
生後3ヶ月で失明し、
5歳の時に瞽女修行を開始。
数多くの苦難を経て
「最後の長岡瞽女」
として脚光を浴びた。
三味線を抱えて家々をめぐり歩き、
民謡や小唄を披露する盲目の女旅芸人が
「ごぜ」といわれる商売。
ハル、いいか、旅に出ることは、
瞽女としての仕事に出ることだぞ。
これから師匠を『お母さん』と呼んで
一生懸命務めるのだ。
手が冷たくていやだとか、
どんなことがあっても家に帰りたいなんて、
言ってはならんぞ。
そんなことを言ったりしたら
『縁切り金』をとられてしまうのだ。
つらいときはじっと我慢して、
神さま仏さまのお力を待つのだ。
決して口ごたえなぞしてはならんぞ。
お前は、言われたことを
『はい、はい』と言って
努めなければならんのだ。
それがこれからの瞽女の仕事なのだ。
— ウィキペディアより
◇ 欲の深い親方もいた。
スケベ爺もいた。
意地の悪い先輩もいた。
差別、仲間はずれ、暴力。
見えない目に浮かべた数限りない
苦労から紡ぎ出されたのが、
小林ハルさんの掲出の言葉だ。
新入社員にも聞かせてやりたい言葉だ。
ハルさんの人間関係に
「天国」と「地獄」はない。
あるのは
「祭り」と「修行」。
人間関係に疲れたときは、
これも「人生修行」と考えれば、
ほんの少しだけ
気持ちが軽くなるかもしれない。
<今日の名言>
危険を冒して前へ進もうとしない人、
未知の世界を旅しようとしない人には、
人生は、ごくわずかな景色しか
見せてくれないんだよ。
シドニー・ポワチエ
※黒人俳優として先駆者的存在。
リスクを犯さないと人生は開けません。
今日一日の人生を大切に!