明日のために今日は縮む    vol.249

 

「明日伸びんがために

          今日は縮むのであります」

                      浜口雄幸(おさち)

 

◇ 浜口雄幸氏は土佐国長岡郡出身。

    官僚でありながらその風貌から

    「ライオン宰相」と呼ばれ、

 

大正から昭和の激動の時代に

首相にのぼりつめた方である。

 

当時日本はデフレの真っ只中にあり、

国内の経済問題が短期間では

好転するとは思われず、

 

長い苦悩に耐えた後に、

日本の経済構造が改革されると

考えていた。 

 

今日はそのために縮もうと。

 

 
◇ 同じような詩で、

    20年ほど前に亡くなった俳人、

    正木浩一氏に蛍の一句がある。

 

 
 「明滅の 滅を力に 蛍飛ぶ」

 

 
明も滅もない蠅や蚊も飛んでいるのだから、

生物学的にそんなことはありえない。

 

 

しかし蛍の飛んでいるところを見ていると

そんな気になるから不思議だ。

 

 
じっと身をかがめて力を蓄える

   「滅」の時節が、

人の一生には幾度となく訪れる。

 

自身には飛ぶための準備であっても、

はたから見ればおそらくは

負け犬と映っているかもしれない。

 

 
長らく「滅」の時期が続いていても、

明日伸びるために苦悩に耐えているのであれば、

いずれ光が見えてくるはずだ。

 

今はこの「滅」の力を信じるのみ。

 

 
◇ 一時は経営危機も取り沙汰された

   日産自動車が、カルロス・ゴーン社長のもとで

    業績のV字回復を果たしたとき、

 よく似た言葉を株主総会の会場に掲げた。

 

 
「最も深くかがむ者が、最も高く飛躍できる」

 

 
これはまさに苦境に陥った者に対する

「エール」なのだ。

 

そのカルロス・ゴーン氏が、

仏ルノーと日産自動車の統合に向けて

また動き出した。

 

合意成立は難航する可能性が大であるが、

必ず飛躍できるチャンスが巡ってくる。

「明」のための「滅」の力を信じてやまない。

 

 
<今日の名言>

悲観主義者はすべての好機の中に困難を見つける。

楽観主義者はすべての困難な中に好機を見出す。
           
        ウィンストン・チャーチル

 

*好機を見出す方がお得です。

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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