◇ 3年前の2014年11月10日、
俳優・高倉健が83歳で永眠した。
高倉健の死去に際し、所属プロダクションは、
彼が生前心に刻んでいた座右の銘を発表した。
「往く道は精進して、忍びて終わり悔いなし」
(たとえどんな苦難に逢おうとも、
決して後悔はしない)
なんと美しい、清々しい言葉であろうか。
◇ 高倉健は映画「南極物語」の
オファーを引き受けた時、
寿命を確実に縮めるであろう
過酷な仕事を引き受けるべきか、
決断を逡巡していた。
迷いの袋小路に入り込んだ高倉健は、
天台宗比叡山・酒井雄哉(ゆうさい)
阿闍梨のもとを訪ねた。
酒井雄哉阿闍梨は、「千日回峰」と
呼ばれる荒行を2回も達成している。
その阿闍梨が、高倉健に先の言葉を贈った。
高倉健は「南極物語」の
長く過酷なロケに臨むにあたり、
死を覚悟したのだろう。
悲愴な覚悟で千日回峰のような
厳しい仕事をやり切り、
高倉健は日本映画史上に残る
名作「南極物語」を完成させた。
今日一日の人生を大切に!