アドラー心理学入門⑤ vol.1056

◇たとえば、

「わたしは悲観的な性格だ」と

 思い悩んでいる人がいたとする。

 

たとえばその言葉を、

 

「わたしは悲観的な

 世界観をもっている」

 

と言い換えてみる。

 

問題は自分の性格ではなく、

自分の持っている

世界観なのだと考える。

 

性格という言葉には、

変えられないものだという

ニュアンスが確かにある。

 

しかし、世界観であれば

変容させていくことも可能になる。

 

気質や性格は、

  自分の意志とは無関係に

  備わっているものと考えがちだ。

 

しかしアドラー心理学では、

ライフスタイルは自ら選びとる

ものだと考える。

 

あなたは、

あなたのライフスタイルを

自ら選んだことになる。

 

つまり「不幸であること」

選んだばかりではなく、

 

この長所短所の性格までも

自らの手で選んだということになる。

 

もちろん、

 意識的に「こんな私」を

 選んだわけではない。

 

 人種や国籍、文化、

 家庭環境といったものも

 大きく影響する。

 

では、どこで選んだか?

 

およそ10歳前後だというのが、

アドラー心理学の見解なのだ。

 

小学校の高学年の頃に

すでに自ら選択している、

ということになる。

 

この国に生まれること、

 この時代に生まれること、

 この両親のもとに生まれること、

 

すべて自分で選んだものではない。

 

しかもそれらは、

かなり大きな影響力を持っている。

 

不満もあるだろうし、

 

他者を見て

「あんな境遇に生まれたかった」

と思う気持ちも出てくるだろう。

 

でもそこで終わってはいけない。

 

問題は過去ではなく

現在の「ここ」にある。

 

これまでどおりの

 ライフスタイルを

 選び続けることも、

 

 新しいライフスタイルを

 お選びなおすことも、

 

 すべては我々の一存にかかっている。

 

あなたは変われないのではない。

 

 人はいつでも、

 どんな環境に置かれていても

 変われる。

 

あなたが変われないでいるのは、

自らに対して「変わらない」

という決心を下しているからなのだ。

 

あなたがご自分のライフスタイルを

変えないでおこうと、

不断の決心をしているからなのだ。

 

つまり人は、いろいろと

不満はあったとしても、

 

「このままの私」でいることのほうが

楽であり、安心なのだ。

 

あなたが不幸なのは、

過去や環境のせいではない。

 

ましてや能力が足りないのでもない。

 

すべてが自分自身の選択による

ものなのだ。

         つづく

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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