ヒットラーの演説に隠された心理テクニック vol.276

 

◇ ヒットラーは演説を黄昏時に

    行うことにこだわりました。

 

人間の思考や判断力は、

夕方になると疲労や周囲の暗さなどが相まって、

 

激しく低下すると考えられています。

 

心理学ではこれを

 

 「黄昏時効果」と呼んでいます。

 

◇またヒットラーは、自分の政策を

    ワンフレーズのスローガンに凝縮させ、

 

    さらに大衆が飽きないように、

 

 同じテーマを違う角度や違う言い回しを

 用いて、繰り返し繰り返し訴えかけたのです。

 

これに似た心理テクニックに

 

「ロミオとジュリエット効果」

 

と呼ばれるものがあります。

 

この心理効果は、ある目的に対して

障害が多いほど、

 

それを乗り越えて目的を達成しようとする

気持ちが高まるというものです。

 

例えば、恋人の親がその恋愛に反対し、

2人の仲を引き裂こうとすると、

 

逆にその恋人同士の感情が

高まってしまう場合です。

 

そうです!

逆に火がついて燃え上がるのです。

 

どうしても引き裂きたい場合は、

冷静に対処した方が賢明です。

 

また希少価値の高いものほど

購買意欲を誘います。

 

わかりやすい例でいえば

 

 「限定品」

 

個数限定で販売されている商品や、

その地域でしか売られていない商品、

在庫が残り一個の商品などを見かけると、

 

どうしても欲しくなってしまうのが人間です。

 

企業のマーケティングなどの場面に

おいても取り入れられている

心理テクニックです。

 

◇ また、演説のなかで、

   ヒットラーは聴衆に対して、

 

  二者択一の問いかけを頻繁に行いました。

 

「ドイツが共産党に支配されてもいいのか、

    それとも我々ドイツ労働者党がよいのか」

 

 「戦争か、それとも 平和か」

 

「ユダヤ人に支配されるままなのか、

     それとも皆殺しにするのか」

 

 などと、

 

極端な選択筋ではありますが、

 

まるでそれら以外の選択筋はないかのように、

聴衆に迫ったのです。

 

これは、人がもっともらしい前提や

選択肢を与えられると、

 

それ以外の選択肢があるにも関わらず、

 

与えられた選択肢のなかだけで

物事を判断してしまいやすい状態になります。

 

これを「誤前提暗示」と言います。

 

日本の政治家もこの「誤前提暗示」

をよく使います。

 

政治家からこの二者選択のフレーズが

出てきたら注意が必要です。

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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