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熱狂的なファンを育てる (3)     vol.208

 

◇ これまで紹介した企業はいずれも、

     成長市場の波に乗って業績を伸ばしてきた

      わけではありません。

 

むしろ、その多くがすでに

成熟してしまった市場です。

 

そこに熱狂的な顧客を抱えこんだことが

勝因となっています。

 

欧米では2000年以降、

こうした熱狂的な顧客作りに

力を注ぐ企業が増えています。

 


フィリップスやゼネラル・エレクトリック(GE)、

アップル、アメリカン・エクスプレス

といった名だたる企業が

 

「ネット・プロモーター・スコア(NPS)」

 

という、顧客ロイヤルティー指標を

経営に取り入れています。

 

NSPは次ぎの方法で算出されます。

 

あなたはこの製品・サービスを

                           友達に薦めますか?

 

という問いに対して消費者に

0~10点の間で答えてもらいます。 

 

0~6点を「批判者」

 

7~8点を「中立者」

 

9~10点を「推奨者」  とし、

 

推奨者の割合から批判者の割合を

引いて導き出します。

 

ここで重要なのは、

批判者の多寡ではありません。

 

9~10点をつける推奨者が

どれだけ多いかということになります。

 

◇ たとえ不満を持つ消費者がいても、

それを上回る熱狂な推奨者が多ければ

商品の販売力は衰えることはないからです。

 

極論すれば

 

一部に強烈なアンチファンがいても、

それ以上のファンがいれば

商品は売れ続けることになります。

 



ところが、

 

多くの日本企業は批判者を

     減らすことに力を注いできたため、

    熱烈なファンを作るのが苦手」です。

 

特に1部上場企業は、

誰が手にしても不満や嫌悪感を感じず、

 

万人が受け入れられるような

「八方美人」型の商品をあまねく公平に

提供してきたということになります。

 

しかしこの八方美人型では、

お客さまを強烈に引きつける

個性や特徴をそぎ落としかねません。

 

その結果、

 

どこの企業にも似たような商品が並び、

ライバルとうまく差別化できずに

価格競争に陥ることも考えられます。

 

あまねく公平ではなく、

企業の根強いファンを利用するような

そんな戦略が必要です。      完

 

<今日の名言>

 

頑張って前に進むと、

そこでしか見られない景色と、

そこでしか出会えない人に出会える。 

                        天海祐希(女優)

 

*頑張った人でないとわからない言葉です。

トンビ博士

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