◇ 中国語の「中国」
という呼称は、
「中央、真ん中」
の
「王国、国家」
という意味になる。
中国人は
「天下の中央」の王国に
暮らしていると確信していた。
つまり「中国」を支配する者こそ
「天下」の正統な支配者である
というのである。
◇ 中国の支配者層は、
「自分たちこそ
文化的に優れているのだ」
という優越感に浸り、
「中国のやり方」に
従わない連中は野蛮人だ」
という基準で
異国人を品定めしたのである。
◇ 中国人はみずからを
「華り(はなり)」と呼び、
文化的、民族的なよそ者たちを
「夷(い)」と呼んだ。
「夷」は、たいてい「野蛮な」
という意味だとされる。
こうした「華夷」の区別は、
明らかに
中国中心主義的、
自民族中心主義的、
人種差別的 な色彩を
帯びることにもつながる。
◇ しかし一方で、
中国人は「夷」である異民族が
中国に同化することも歓迎した。
この点は中国の
おもしろいところであり、
ぜひとも理解しておくべきだろう。
古代中国人たちは、
異民族も中国の文化や風習を
採用すれば、
文化的に吸収され、
中国人になることができると
考えていた。
これを「漢化」という。
朝鮮が備教という宗教を
取り入れのも「漢化」
ということになる。
かつてのローマ帝国が、
ルールさえ受け入れられれば、
ローマ市民となったように、
中国人もある意味、
同化してしまえば、
寛容性がある民族
なのかもしれない。
つづく
<今日の名言>
鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。
卵は世界だ。
生まれようと欲するものは、
一つの世界を破壊しなければならない。
ヘルマン・ヘッセ
*自分自身の力で自らの殻を
破らないかぎり、
羽ばたくことはできません。
今日一日の人生を大切に!