学を為すには、
人の之(こ)れを強(し)うるをまたず。
必ずや心に感興する所有って之を為す。
◇ 佐藤一斎は江戸後期の儒者。
江戸の儒者で
講義の名手は三人いた。
室鳩巣、細井平洲 と、
この 佐藤一斎 である。
その彼が冒頭のように
教育の秘訣を語っている。
俗に「教化する」というが、
教と化とは意味が違う。
教は「単に知識を教えること」
化は「心を変化させること」
人に教育するには、
「化して之れを教うるは、
教え入り易きなり」
まず学生の心を感化し、
やる気にさせてから教えると
知識が入りやすい という。
◇ なるほどなるほど。
なんでも同じである。
本人が学びたくないのに
早期教育を強行するのはいけない。
草木の移植には必ず時期がある。
肥料をやるにも程度がある。
早すぎても遅すぎてもいけない。
多すぎても少なすぎてもいけない。
子弟の教育も社員の教育もまた同じ。
学問は強いてはいけない。
自分から感動して勉強したいと
思わせるのが大切だという。
◇ だが
人をやる気にさせるのは難しい。
どうすればよいか。
自分が感動してはじめて
他人を感動させることができる。
何よりもまず教える側の先生のほうが
学問に感動しなければならない。
親や先生が面白くないものを、
子供が面白がるはずはないということ。
仕事も同じ。
まずは 上司が感動。
そうすれば部下の心が必ず動く。.
<今日の名言>
仕事のできる人とは、
自分で仕事を見つけだしてきて、
自分でそれを片付ける人のことだ。
邸永漠(作家・実業家)
*会社から与えられた特定の仕事だけを
繰り返しているだけでは、自分の人生を
実り多いものにすることは難しい。
日々あらたな創造をしている人だけが、
たどりつける場所がある。
今日一日の人生を大切に!