◇たとえば、
「わたしは悲観的な性格だ」と
思い悩んでいる人がいたとする。
たとえばその言葉を、
「わたしは悲観的な
世界観をもっている」
と言い換えてみる。
問題は自分の性格ではなく、
自分の持っている
世界観なのだと考える。
性格という言葉には、
変えられないものだという
ニュアンスが確かにある。
しかし、世界観であれば
変容させていくことも可能になる。
◇ 気質や性格は、
自分の意志とは無関係に
備わっているものと考えがちだ。
しかしアドラー心理学では、
ライフスタイルは自ら選びとる
ものだと考える。
あなたは、
あなたのライフスタイルを
自ら選んだことになる。
つまり「不幸であること」を
選んだばかりではなく、
この長所短所の性格までも
自らの手で選んだということになる。
◇ もちろん、
意識的に「こんな私」を
選んだわけではない。
人種や国籍、文化、
家庭環境といったものも
大きく影響する。
では、どこで選んだか?
およそ10歳前後だというのが、
アドラー心理学の見解なのだ。
小学校の高学年の頃に
すでに自ら選択している、
ということになる。
◇ この国に生まれること、
この時代に生まれること、
この両親のもとに生まれること、
すべて自分で選んだものではない。
しかもそれらは、
かなり大きな影響力を持っている。
不満もあるだろうし、
他者を見て
「あんな境遇に生まれたかった」
と思う気持ちも出てくるだろう。
でもそこで終わってはいけない。
問題は過去ではなく
現在の「ここ」にある。
◇ これまでどおりの
ライフスタイルを
選び続けることも、
新しいライフスタイルを
お選びなおすことも、
すべては我々の一存にかかっている。
◇ あなたは変われないのではない。
人はいつでも、
どんな環境に置かれていても
変われる。
あなたが変われないでいるのは、
自らに対して「変わらない」
という決心を下しているからなのだ。
あなたがご自分のライフスタイルを
変えないでおこうと、
不断の決心をしているからなのだ。
つまり人は、いろいろと
不満はあったとしても、
「このままの私」でいることのほうが
楽であり、安心なのだ。
あなたが不幸なのは、
過去や環境のせいではない。
ましてや能力が足りないのでもない。
すべてが自分自身の選択による
ものなのだ。
つづく
今日一日の人生を大切に!