ドラー心理学入門③  vol.1054

◇ アドラー心理学では、

 「怒りに駆られて、大声を出した」

  ということではなく、

 

「大声を出すために怒った」

 ということになる。

 

つまり、大声を出すという目的を

かなえるために、

 

怒りの感情を

つくりあげたということ。

 

大声を出す手段として、

怒りという感情を捏造したのだ。

 

怒りとは、

出し入れ可能な「道具」であり、

 

自分の主張を押し通すため、

怒りの感情を使っているというわけだ。

 

怒りは目的を達成するための

手段に過ぎない。

 

◇ われわれは感情に支配されて

  動くのではない、

 

 ということが

 前提となっている。

 

「過去にも支配されない」

 という意味において、

 

アドラー心理学は

ニヒリズムの対局にある思想であり、

『哲学』 なのだ。

 

*ニヒリズム:虚無主義何物も真に存在せず、
       また認識できないとする立場

 

◇ 過去は変えられない。

 

 もし原因論主義者に

 なってしまえば、

 

過去に縛られたまま、

この先ずっと幸せになることが

できなくなる。

 

過去がすべてを決定し、

過去が変えられないのであれば、

 

今日を生きるわれわれは

人生に対してなんら有効な手立てを

打てなくなってしまう。

 

トラウマの議論に代表される

フロイト的な原因論とは、

 

かたちを変えた決定論であり、

 

言い方を変えれば、

ニヒリズムの入口ということになる。

 

人間が変われる存在だとするなら、

原因論に基づく価値観などありえず、

おのずと目的論に立脚せざるをえないと。

 

人は過去の原因に

突き動かされるのではなく、

 

自らの定めた目的に向かって

動いていく。

         つづく

 

<今日の名言>

恋人が恋人のところに行くときは、

学校生徒が本を離れるときのように嬉しいが、

恋人が恋人と別れるときは、

重い本をさげて学校へ行くときのように悲しい。

 シェークスピア「ロミオとジュリエットの悲劇」

 

*大変わかりやすい!

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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