◇ アドラー心理学では、
「怒りに駆られて、大声を出した」
ということではなく、
「大声を出すために怒った」
ということになる。
つまり、大声を出すという目的を
かなえるために、
怒りの感情を
つくりあげたということ。
大声を出す手段として、
怒りという感情を捏造したのだ。
怒りとは、
出し入れ可能な「道具」であり、
自分の主張を押し通すため、
怒りの感情を使っているというわけだ。
怒りは目的を達成するための
手段に過ぎない。
◇ われわれは感情に支配されて
動くのではない、
ということが
前提となっている。
「過去にも支配されない」
という意味において、
アドラー心理学は
ニヒリズムの対局にある思想であり、
『哲学』 なのだ。
*ニヒリズム:虚無主義何物も真に存在せず、
また認識できないとする立場
◇ 過去は変えられない。
もし原因論主義者に
なってしまえば、
過去に縛られたまま、
この先ずっと幸せになることが
できなくなる。
過去がすべてを決定し、
過去が変えられないのであれば、
今日を生きるわれわれは
人生に対してなんら有効な手立てを
打てなくなってしまう。
トラウマの議論に代表される
フロイト的な原因論とは、
かたちを変えた決定論であり、
言い方を変えれば、
ニヒリズムの入口ということになる。
人間が変われる存在だとするなら、
原因論に基づく価値観などありえず、
おのずと目的論に立脚せざるをえないと。
人は過去の原因に
突き動かされるのではなく、
自らの定めた目的に向かって
動いていく。
つづく
<今日の名言>
恋人が恋人のところに行くときは、
学校生徒が本を離れるときのように嬉しいが、
恋人が恋人と別れるときは、
重い本をさげて学校へ行くときのように悲しい。
シェークスピア「ロミオとジュリエットの悲劇」
*大変わかりやすい!
今日一日の人生を大切に!