◇ 21年度の都税収入は
前年度比4,000億円減の
5兆円程度で、
22年度以降も低迷は
必至の状況だが、
東京都は国から地方交付税を
受けない不交付団体であるため、
自力でなんとかしなくてはならない。
なんとか実施にこぎつけても、
当初に謳われたような大きな経済効果が
発揮される見通しはほとんどない。
新型コロナとの抱き合わせの
巨額の損失だけを、
都民は延々と負担することになるのは
明白な状況だ。
もちろん国や自治体の負債というのは
決して国民や都民の借金ではないが、
結果的に貧乏な自治体になれば、
そこに住む市民に対する
サービスのレベルは著しく低下し、
貧相な生活を強いられることは
間違いない。
◇ 2007年に財政破綻し、
財政再建団体に指定された
北海道夕張市のケースは
記憶に新しい。
年間税収8億円にして
返済額が年26億円という
アンバランスな状況は想像を絶するが、
さすがに東京都はここまで
ひどくならないとは思うが、
部分的な都民サービスが
夕張化する危険性は否定できない。
◇ 21世紀に入ってから、
石原元都知事は
「日本人には夢が必要だ」などという、
もっともらしい理由を付け、
東京五輪に再三手を挙げてきた。
結局、カネをバラまいて
買い付けたような実施となったわけだが、
蓋を開いてみれば
なんら夢を実現できるような場でなく、
おまけに新型コロナ感染という洗礼を受けて、
散々な結果に終わりそうな雰囲気が醸成中だ。
◇ 本来ならば、
すっぱり五輪を諦めて
新型コロナ対策だけに専念し、
都民全員がいち早くPCR検査を
実施してエピセンター(震源地)を
潰していくという地道な作業をしていれば、
こんなことにはならなかったのでは
ないかとも思う。
どうも政治家の先生方は
そういう発想は一切お持ちでない様子。
我々小市民にできることは、
せいぜい東京都民にならずに
無駄な税金を払わないことぐらいだろうか。
完
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