◇ 楽天は3月12日、
日本郵政との資本・業務提携を
発表した。
日本郵政が楽天の
第三者割当増資を引き受け、
約1,500億円出資して
8.32%の株を保有することになる。
今後はDX による物流の効率化や、
(デジタル・トランスフォーメーション)
郵便局での楽天携帯の販売などで
業務提携を行い、
今後EC(電子商取引)や金融の分野でも
協業を模索していく考えのようだ。
◇ また楽天は同時にテンセントや
ウォルマート等にも同時に
第三者割当増資を行う。
*テンセントについては、
子会社のImage Frame Investment
が引き受ける。
資金調達総額は2,423億4,669万になり、
楽天はその全額を携帯電話の基地局整備の
増強等に使っていく計画のようだ。
マーケットは好感し、
発表翌日の楽天の株価は
ストップ高になった。
◇ 楽天側にとってのメリットは
資金調達により携帯事業が強化できる、
郵便局での楽天携帯の販売など
わかりやすいが、
日本郵政側のメリットは何だろうか?
日本郵政にメリットはあるのか。
政府が間接的に楽天を
後押ししているようにも、
見えなくない。
◇ 報道では、
物流のDX化などのノウハウを
楽天から得るというようなことが
言われているが、
DX化を進めるだけならば、
他のコンサル会社等に頼むこともできるのに、
なぜ、楽天なのか?
考えられるのは、
金融事業での提携だ。
◇ 日本郵政が行う金融事業と
(ゆうちょ銀行、かんぽ生命事業など)
楽天が行う金融事業では、
(主にネットを通じた金融事業)
競合している部分が
少ないという特徴がある。
ゆうちょ銀行、かんぽ生命の顧客は
比較的高齢者が多く、
ネット金融事業に弱いため、
将来性に不安がある。
楽天と提携する事で
主にネットを利用する若年層の顧客を
取り込める可能性があると
考えているのであろう。
また楽天のカード事業や
ポイント活用のノウハウは魅力的だ。
逆に楽天側から見ると、
「ゆうちょ」などに眠っている
大きなお金を、
自社グループの金融事業に取り込める
可能性があるというメリットを
感じているのではなかろうか。
金融事業ではWin-Winの関係に
なれる可能性がある。
◇ しかし郵便局で
楽天の携帯電話を売るという
仕組みが成功するかと問われれば、
郵便局に行かなくても、
携帯代理店や家電量販店で、
すぐに買えるため、
その可能性は少ないと答えるしかない。
「金融事業と
EC事業の物流のメリット」
これが今回のディールのシナジーが
最大に発揮できる分野だと思われる。
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