Categories: 歴史

アーロン収容所  vol.964

トンビたちの世代は

     学校の授業では、

 

  端的にいって

「日本は無謀な戦争をして負けた」

 と教えられてきた。

 

そんななかで会田雄次氏の

『アーロン収容所』(中公新書)

に出会った。

 

 

ビルマの英軍捕虜収容所で

    強制労働の日々を送った

    会田氏のすぐれた体験記である。

 

 そこにこんなくだりがある。

 

私たちの将校は、

     英国人中尉に対して次のように言った。

 

 日本が戦争をおこしたのは

   申しわけないことであった。

   これからは仲よくしたい。

 

そうすると、英軍中尉は

非常にきっとした態度をとって

次ぎのように答えた。

 

君は奴隷か。

奴隷だったのか。

 

我々は、我々の祖国の行動を

正しいと思って戦った。

 

君たちも自分の国を正しいと

思って戦ったのだろう。

 

負けたらすぐ悪かったと

本当に思うほどその信念は

たよりなかったのか。

 

それともただ主人の命令だったから

悪いと知りつつ戦ったのか。

 

負けたらすぐ勝者のご機嫌をとるのか。

 

そういう人は奴隷であって

サムライではない。

 

われわれは多くの戦友を

このビルマ戦線で失った。

 

私はかれらが奴隷と戦って

死んだとは思いたくない。

 

私たちは日本のサムライたちと戦って

勝ったことを誇りとしているのだ。

 

この日本の将校と

     英軍中尉とのやりとりは、

 

「日本が一方的に悪い

 なんてことは軽々しく言えない」と、

 

それまで受けてきた十数年の教育を

根底から覆した。

 

無謀な、間違った戦争で

あったかどうかは、

歴史が判断すること。

 

当時の若者たちは、祖国を信じて、

正しいと信じて戦ったのかもしれない。

 

本当の歴史は

人から教えられるのではなく、

自分自身で学ばなければならない。

 

この本をきっかけに、

このように思うようになった。

 

<今日の名言>

新しき計画の成就は

ただ不撓不屈の一心にあり。

さらばひたむきに、ただ思え。

気高く強く、一筋に。   

                   中村天風

*天風の「思いが人生を形作る」という

  この言葉を真に理解できる人は、

   たいしたもんです。

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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