◇ 米国バイデン大統領が就任した。
これまで4年間、トランプ前大統領に
攻められっぱなしであっただけに、
さぞかし鬱憤が溜まっていたと見られる。
中国外務省は1月21日、
トランプ前政権で国務長官を務めた
ポンペオ氏ら28人に制裁を科すと発表した。
まさに鬱憤ばらしそのものだ。
◇ 制裁内容は、中国本土や香港、
マカオへの入境を禁じる。
また、関係企業・団体の中国での
経済活動を制限するというもの。
この発表は、バイデン氏の
大統領就任直後に行われた。
トランプ政権中に制裁しなかったのは、
報復を恐れた結果だろう。
現役でなくなった人間へ
制裁を科しても意味はない。
遠吠えにしか思えない。
しかし、
これは中国の弱さの証明でもある。
◇ トランプ米大統領の
任期が切れる数時間前、
中国国営の新華社通信は、
英語のツイッターアカウントから
「いなくなってせいせいする、
ドナルド・トランプ!」
と投稿した。
投稿には、
「厄介払い、
トランプ政権と政権末期の狂気」
と題した掲載の論説のリンクが
貼られていたという。
その論説では、
任期切れ間近にトランプ政権が打ち出した
中国を標的とする措置を
「ばかげた見せ物」と断じ、
新政権の米政策担当者に対し、
米中関係が
「一握りの過激派によって間違った方向に」
導かれないよう求めた。
◇ 中国はここまで前米政権を
批判・罵倒している。
バイデン政権が、これをどのように
受け止めているかといえば、
何ら臆することなく
米中対立の長期化を予告する。
米新政権は、人権擁護や民主主義防衛という
普遍的な価値を前面に打ち出しており、
前政権以上の対決姿勢を取る構えである。
特に注目すべきは、
新政権が同盟国重視を掲げている点である。
前政権は、欧州同盟国と
ギクシャクしていたが、
これを修復して一丸となって
中国に対抗する姿勢を取っている。
この点は、中国にとって気懸りであろう。
つづく
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