◇ 中国は経済面でも、
世間で言われているような
楽観論に立つわけにいかない。
改めて指摘するまでもなく、
経済の潜在成長率は
人口動態が決定要因である。
15~64歳までの生産年齢人口比率が、
潜在成長率の大枠を左右する。
むろん、これだけでない。
生産性動向がこれを補足する。
中国では、生産性を大幅に向上させる要因が
見当たらないのだ。
専制政治が、
経営者の創意工夫の発揮を
拒む要因になっている。
具体的には、通販最大手のアリババが
当局から発展の網を掛けられていることだ。
具体的には、後で取り上げる。
中国の生産年齢人口は、
15~59歳までを尺度とする。
健康上の理由で、
定年が60歳に決められているのだ。
国際標準では15~64歳まで。
中国の生産年齢人口は、
国際標準より約1割も少ない計算になる。
そこで、国連経済社会局人口部は、
便宜的に20~65歳までの人口の
前年増減率を米中について計算している。
その結果を示したい。
中国 米国
2011年:16.176%増 10.545%増
2023年: 0.040%減 3.218%増
2039年: 8.560%減 3.010%増
2058年:11.941%減 1.351%増
2100年: 5.255%減 1.079%増
(出所:国連経済社会局人口部)
◇ このデータを見れば、
一目瞭然である。
中国は、初めて2023年に
生産年齢人口増減率が減少に転じる。
2058年には、
最大約12%の減少に見舞われる。
このように、中国は2年後の2023年から
永久に生産年齢人口が減少する社会である。
日本の二の舞である。
生産年齢人口が減る社会で、
潜在成長率が上昇することは不可能である。
中国だけ、この仕組みから外れるという
奇想天外なことは起こらないのだ。
つづく
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