◇ 我々はいろいろなことを
あきらめながら、
そして妥協しながら生きている。
自分にとって大切な夢でさえ、
早めにあきらめた方がいい場合もある。
なぜなら、夢に固執するあまり
他の選択肢が見えず、
あきらめないことで
人生を失うことがあるからだ。
◇ 特定の進路や職業に
就くことを目指して、
努力するのは当然なことだ。
例えば、
・甲子園出場を夢見て野球の練習に励む
・医者になるために大学の医学部を目指して
受験勉強を頑張る
・マスコミ業界に就職したいから、
その方面の企業へ就活する
それ自体は自然だし、
努力を積み重ねるのも素晴らしいことだ。
しかし、いくら練習しても勝てない、
レギュラーにすらなれない。
何年勉強しても受からない。
何社受けても内定がもらえないとしたら、
どうすればいいのか。
◇ 学生であれば、生活設計や家族を
どうするかなどといったことを
考える必要がない。
「甲子園には行けなかったけど、
仲間と切磋琢磨できて充実していた」
という思い出にもなる。
しかし、大人になると
そうは言っていられない。
弁護士を目指して
何年も受験勉強に費やし、
気がついたら40代になっていた。
一度も働いたことがないから、
何ら職業的な経験もスキルも
身についていない。
実務経験がなく市場価値はほぼゼロ。
今さらどこかに就職しようとしても、
この年齢で未経験な人が
まともな仕事に就けるのか。
ここからどうやって這い上がれば
良いというのか……。
◇ 執着すると視野が狭くなる
というのはまさにこのことで、
世の中には3万種類を超える職業が
あるにも関わらず、
その夢にこだわるあまり、
ほかの選択肢が見えなくなるわけだ。
世界に異性は35億人もいるのに、
不倫相手に執着すれば、
婚期や出産適齢期を逃してしまう。
あるいは、学生の場合は、
第一志望の大学に受からなかったからと
劣等感でクサったり、
何年も浪人したけれども
受からず自暴自棄になる、
という人の話も耳にする。
「〇〇大学に進学することがすべて」
という、ひとつの視点、
ひとつの視座しか持っていないと、
世界はとても狭くなる。
その後の人生で、
ずっとこのコンプレックスを
引きずることになるのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!