◇ では、どうしてシニアが マウンティングをしがちになるのか。
その理由は恐らく「寂しさ」に
あるのだと思う。
定年になったシニアは
サラリーマン時代に管理職を
経験した人が多い。
管理職の仕事は部下に
何をすべきかを指示し、
結果について責任を取ることだ。
したがって部長や課長というのは、
その部や課では序列が最上位であることは
言わずもがな。
役員になれば、もっと上になる。
つまり現役時代に高い地位にあった人ほど
立場が上であることが自然になっているため、
定年後に一個人になると
会社での地位をなくした寂しさから、
自分の優位をアピールしたくなりがちなのだ。
でもこれは、相手からすれば
明らかに迷惑行為。
上司であれば仕方なく
付き合わざるを得ないものの、
特に関係のないシニアのおじさんに
上から目線で物を言われたくないのは
当然だろう。
結果として、そういうシニアは
遠ざけられることになり、
さらに寂しさが増すという
悪循環に陥ってしまう。
◇ ではマウンティングシニアに
ならないようにするためには
どうすればいいのか。
方法は2つある。
一つは何でもいいので
「習い事」をやってみること、
そしてもう一つはSNSの利用の仕方を
工夫することだ。
特に「六十の手習い」は
大いにやるべきだと思う。
マウンティングシニアの特徴として
「人の話を聞かない」ということがあり、
これはいくら「話をちゃんと聞きなさい」と
言ってもそう簡単にはいかない。
でも習い事は自分の知らないことをするので、
教えてくれる人の言うことを聞く必要がある。
当然、謙虚にならざるを得なくなる。
◇ 次にSNSだが、
SNSは寂しさを無くすためには
良い手段だと思う。
ただし下手をすると、
人の投稿に上から目線のコメントを
多く入れることになりかねない。
人の投稿に対しては反対意見を
述べるのではなく、
共感したものにシンプルな
コメントを付けるぐらいがいい。
気に入らない投稿があれば、
反応しないこと。
◇ 論語では六十歳のことを
「耳順 (じじゅん) 」という。
人の言うことを逆らわないで
聞けるようになる年齢という意味だ。
耳順とは程遠いマウンティングシニアに
ならないよう、
お互い気をつけなければならない。 完
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