Categories: 人物に学ぶ

大平正芳(おおひらまさよし) vol.849

大平正芳 第68・69代

  内閣総理大臣。

 

「アーウー」の首相である。

 

このように言っても

知っている人は、

もはや少ないかもしれない。

 

大平氏は田中角栄内閣の

  外相を務めていた1973年、

  第一次石油危機直後の講演で、

 

本来、歴史というものは、

最終的解決なるものはないのであって、

暫定的解決を無限に続けていくのが

 歴史だと思うのであります。

                          

と語った。

 

大平は「永遠の今」

  という言葉を座右の銘とした。

 

これは哲学者の田辺元(たなべはじめ)が

1939年におこなった講演をまとめた、

「歴史的現実」に由来する。

 

「永遠のゼロ」もここからきた。

 

田辺は時間を、

 川のように一方向に

 流れてゆくものとは

 とらえていなかった。

 

過去は過ぎ去って

いまは「ない」ものであるとともに、

現在の中で働いている。

 

同様に未来も、いまは「ない」が、

現在の私の働きによって

「ある」ようになる。

 

すなわち、過去も未来も

あらゆる時が成立するのが現在であり、

 

それゆえ現在は永遠なのだ、と

田辺は考えたのである。

 

大平大臣の講演での,

 

 「暫定的解決を

 無限に続けていくのが歴史」

 

 という言葉も、

 

田辺哲学から、

過去も未来も現在の働き次第だと

学んだ彼ならではのものだった。

 

人間に与えられた時間は、

常に今しかない。

 

過去はすでになく、

未来は未だ存在していない。

 

今の一瞬をどう生きるかが、

すべてなのだ。

 

けっして雄弁ではなく、

 派手なパフォーマンスとも

 無縁だった大平氐のスピーチは、

 

国民を導くというよりも、

むしろ指導者と国民がともに

考えることを促すものであった。

 

<今日の名言>

俺はコートに入ったら、

「俺」ではなく「俺たち」と

考えるようにしている。 

  マジック・ジョンソン
 (元プロバスケットボール選手)

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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