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「老後」という概念のない世界を生きる ① vol.827

トンビは常々、

 

「老後不安をなくすには

     老後をなくせばいい」

 

   と思っている。

 

「老後をなくす」というのは、

 

「現役で働き続ける」

 

ということにほかならない。

 

多くの会社員は定年後、

    働くのを辞めてしまう。

 

最近では定年後の再雇用制度が

広がってきてはいるが、

 

それでも大半の企業は65歳までしか

仕事を続けることができない。

 

つまり、生涯現役で働いている人は

それほど多くはないということになる。

 

ところが先日、

落語家の立川談慶氏の

「老後は非マジメのすすめ」

  という本を読んだ。

 

その中にとても興味深いことが

書いてあった。

 

 

◇ 落語の世界を通じて

  老後の様々な生き方や考え方について

    考察するユニークな内容だが、

 

冒頭に、

 

「そもそも『老後』という

      概念のない落語の世界」

 

という一節が出てくる。

 

現在演じられている落語の多くは

江戸時代後半から明治期にかけての

庶民の生活がベースになっている。

 

当時、働いている人の多くは勤め人、

 

すなわち会社員ではなく、

今でいう自営業だった。

 

従って、落語に登場する人物も

都会では商人や職人といった人たちであり

地方なら農民や漁師ということになる。

 

彼らの多くは

生涯現役で仕事をしていた。

 

つまり、働けなくなったら

「お迎えが来る」のが常識だった。

 

「人生100年時代は70歳まで働く」

     といったように、

 

   長く働き続ける機運が

   出てきたと思うかもしれないが、

 

日本ではずっと昔から

元気なうちは働き続けるのが

普通だったのである。

 

もちろん、落語には

  ご隠居さんが登場する。

 

  ご隠居さんは確かに仕事は

  引退しているが、

  決して人生を引退したわけではない。

 

町内のまとめ役であったり、

もめ事の仲裁役であったり、

 

立派に世の中の役に立っており、

人生ではバリバリの現役なのだ。

 

つまるところ、仕事をするかどうか、

その量が多いか少ないかは別として、

 

年を取っても社会と関わり続けることが、

元気であり続ける秘訣なのだろう。

            つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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