◇ ロシアの軍事産業の
最大のお得意先はインドであり、
インドとロシアは、
最新兵器の共同開発も行うほど
印露の友好関係は固い。
そのインドと中国が戦争を
起こすことになったら、
ロシアはインドに味方することになる。
インドは、ロシア兵器体系で
軍備が整備されているため
米国兵器体系にはすぐには変更できない。
その点、中国は自国兵器体系であり、
ロシア兵器体系ではない。
ロシアはインド軍とは
共同作戦が簡単に取れるが、
中国とは密接的な共同作戦は難しい。
ちなみに、日本は米国兵器体系であり、
米軍との共同作戦を前提にしている。
◇ 中国は、コロナ感染と揚子江の洪水、
バッタの農業被害で国内に
不満が溜まっているため、
領土拡張で民衆の目を
海外に持っていきたいのであろう。
しかし、それでもインドとの不仲は、
戦略的な損害が大き過ぎるように感じる。
インドもコロナ感染拡大で、
国内で不満が溜まり、
中国軍の侵略を放置できない。
インドは、ロシアだけではなく
米国や豪州、日本などとも手を結び、
中国に対峙するしかない。
一方、ロシアもインドがロシアから離れて
米国兵器体系になったら、
最大の兵器の売り先がなくなる。
◇ 米国は、インドが
ロシア兵器体系だったため、
パキスタンとの関係を構築して
アルカイダを駆逐するために援助していた。
しかし、パキスタンは、
中国との関係を重要視してからは
援助をしなくなっている。
結果、米国とインドの友好関係と、
パキスタンと中国の同盟関係
という形になってしまった。
この2つのペアが対立関係になってきた。
◇ ロシアはインドにつくか、
中国につくかの選択になる。
このため、ロシアも中国との関係を
見直すことになるとトンビは見る。
ロシアは中立ではなく、
インドとの関係優先から中国との関係を
悪化させても仕方がないとなるだろう。
このため、米国、日本、ロシア、
インド、豪州、ヨーロッパ諸国の
「中国包囲網」が完成することになる。
この包囲網は、
中国にとっては脅威になるはずである。
インドとの関係悪化は、
今後の展開を考えた場合、
中国にとって最大の戦略的ミスと
なるのではなかろうか。 完
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